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2012〜2008

01・ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳

 監督:長谷川三郎

02・AVATAR

 監督:ロバート・キャメロン

03・グラントリノ

 監督:クリント・イーストウッド

04・アキレスと亀

 監督:北野武

05・ぐるりのこと

 監督:橋口亮輔

06・28歳の革命&39歳の別れ

 監督:スティーブン・ソダーバーグ

07・ヒトラーの建築家

 監督:ハインリッヒ・ブレロアー

08・バオバブの記憶

 監督:本橋成一

09・No Country for oldmen

 監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン

10・カフカの「城」

 監督:ミヒャエル・ハネケ

11・東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

 監督:松岡錠司

12・隠された記憶

 監督:ミヒャエル・ハネケ

13・私の秘密の花

 監督:ペドロ・アルモドバル

14・浮雲

 監督:成瀬巳喜男

15・無能の人

 監督:竹中直人

16・ペドロ・アルモドバル 4作

「バッド・エデュケーション」

「トーク・トゥ・ハー」

「グロリアの憂鬱」

「オール・アバウト・マイ・マザー」

 

2008〜2007

17・ボルベール 帰郷

 監督:ペドロ・アルモドバル

18・萌えの朱雀

 監督:河瀬直美

19・コーカサスの虜

 監督:セルゲイ・ポドロフ

20・DEV GODA VILJAN 愛の風景

 監督:イングマール・ベルイマン 

21・RAGING BULL

 監督:マーティン・スコセッシ 

22・雨月物語

 監督:溝口健二

23・SARABAND 〜サラバンド

 監督:イングマール・ベルイマン

24・映画4作

「ニライカナイからの手紙」

 監督:熊澤尚人

「アラキメンタリ」

「るにん」

 監督:奥田瑛二

「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」

 監督:クリス・シェリダン&パティ・キム

25・殯の森

 監督:河瀬直美

奥田瑛二監督作品3作

26・「長い散歩」「るにん」「少女」

ベルイマン、アントニオーニ没す

27・ゆれる

 監督:西川美和

28・A2

 監督:森達也

 

ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳

「ニッポンの嘘」 報道写真家 福島菊次郎90歳
このドキュメンタリー映画をみるまで福島菊次郎を知らなかった。この映画を知ったのも新宿Ksシネマで他の映画をさがしているときに偶然知ったという始末である。
福島菊次郎はヒロシマの原爆被災者からはじまり全共闘、公害問題、三里塚、福島など主要メディアでは知ることのできない国家権力の闇の部分をカメラに写してきた人物である。
東日本大震災で原発の問題が晒されたように主要メディアの伝える報道内容が疑わしいことは多くの人々が感じていることである。こうした問題の闇の部分を伝えるとはどういうことかと身をもって体現してきた姿がこの映画には記録されている。
映画のなかでひとつ建築に携わるものとして印象的な場面があった。それは福島が「どうしていま広島をとらないのか?」という質問に対して「もうとるべき真実が見えない、すべて嘘で覆われてしまった」と答えスクリーンに広島平和記念館とその周辺の映像が流れたのである。ご存じの通り広島平和記念館は丹下健三設計の大変重要な建築物であり建築家の間でも知らない人はまずいないであろう記念碑的な建築である。その建築物が映し出された時に「嘘で覆われてしまった」という言葉には、はっとさせられた。建築家のほとんどの人達は当然のように権力側の請負人であることを疑ったことはないしいつも片思いであることが常だからだろう。福島のような人物にとって建築家とはこうした権力から依頼されれば何でも仕事を請け負う「娼婦」に見えるかもしれない。それでも広島の平和記念館は傑作であると言えるところに建築家のスタンスの取り方があるのだろう。あらためて自分のスタンスについて考えさせられた一場面であった。
映画の中の福島は静かな語り口で足腰もかなり弱々しい雰囲気であったが、被写体を見つけカメラを構えたときは動きが別人のようにシャープになる、まるで工芸品を作る人間国宝ようなカメラマンであった。

2012/10/4 ishikawa

AVATAR

 恥ずかしながら、昨日新宿ピカデリーのレイトショーで観てきました。今日までということで、慌てて駆け込んだというわけです。この映画の見所はなんと言っても3Dであるわけで、DVDで早くも観られるようですが家のテレビでは3Dになりようがないのです。で感想ですが、ネガティブなことからになりますが、まず今も眼の疲労があります。その原因は字幕にあります。3Dなので字幕が隠れないように最前に表示されるのですが、とにかくこの字幕を読むのに眼の焦点を最前に合わせる作業が大変なストレスでした。したがって3Dものは吹き替えバージョンがオススメですね。大失敗でした。本題の3Dですが、これは眼を見張るほどの出来映えでした。これ想像以上でした。これを観られただけでも2000円の価値はあるでしょうね。もうず~っと大昔ですが、ジョーズの3Dを観たことがありますが、散々な出来でしたが、技術は大幅に進歩したものです。肝心の映画の内容は・・・・アカデミー賞はやっぱりね、というのが正直な感想、途中であまりの茶番に少し萎えました。それとこの内容で3時間近い映画とはチト長いですね。

20012/4/22 ishikawa

グラン・トリノ

洋書屋さんのYさんに借りて「グラン・トリノ」を鑑賞。グラン・トリノとはフォードの1970年代の車の名称である。古き良きアメリカの象徴と言っても良い。そのピカピカのグラン・トリノ所有者はその製造にも携わったポーランド系のアメリカ人のイーストウッド扮するオールドアメリカン、朝鮮戦争出兵しフォードに長年勤めた経歴をもつ。映画は古き良きアメリカから新しいアメリカへと転換できない偏屈なオールドアメリカンが隣人のアジア人であるモン族の娘と青年との交流を軸にストーリーが展開しラストは日本びいきのイーストウッドらしい結末で終わる。大作を撮った後ということからか、ややライトな秀作といったところですね。イーストウッドはもう79歳である。あと何本の作品を残してくれるのだろうか。

2010/2/22 ishikawa

アキレスと亀

「アキレスと亀」のパラドクス・・・これは映画の冒頭でアニメで説明があります。
芸術だけでなく表現者全てに通ずるパラドクスですね。

キャスト
ビートたけし/樋口可南子/柳憂怜/麻生久美子
中尾彬/伊武雅刀/大杉漣/筒井真理子/吉岡澪皇(子役)/円城寺あや/徳永えり/大森南朋

 デザインの場合は芸術と言わないのかもしれませんが、やはり真似をすることではいつまでたってもトップにならない。「守」「破」「離」という言葉も最近しったのですが、これは世阿弥の言葉で「守」は基本の型を学ぶこと「破」とはその基本の応用「離」とはオリジナルに達すること。だいたいこんな意味だとおもうのですが。アキレスと亀とは「守」の段階を繰り返すことでしょうか。つまり真似しているうちはいつまでたってもトップランナーに追いつきそうで追いつかない半減期のグラフのようなものです。誰しもわかっているでしょうけどね。映画はヒットしたんでしょうか?個人的には面白かったです。特に樋口可南子、良かったですねー。映像も時折ハッとするような美しいカットが映画の滑稽さを引き立たたせていて、北野監督ワールドを感じさせます。ふりかえって建築設計もこの映画のような主人公って結構いるんじゃないでしょうか?ただ建築の場合全てが純粋芸術のような芸術ではないので職業として絵描きよりは成り立つわけですが。しかし芸術と機能的な建築とそのあたりをいったりきたり悩んでいる人は結構いるはずです。そういう人には痛い映画ですね。でも建築には音楽で言えばポップス的な考えのほうが適するかなと最近思ったりしていて、井上陽水が「TOKYO」をビートルズの「TILL THERE WAS YOU」のような曲を作ろうと思ってとタモリとの対談でギターを弾きながら語っていたのをYouTubeで見たりすると、あれはあれでありかなぁと楽天的にね、ようは皆が喜べばそれでよいのさ!

2009/9/26 ishikawa

ぐるりのこと

キャスト:木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、寺島進、安藤玉恵、八嶋智人、寺田農、柄本明他

普通にありそうな夫婦の10年の物語。感慨深かったですね。じつは自分自身も結婚して10年が経過していることに気がつきました。映画は妻の流産から精神を病んでいき、夫婦の危機をむかえながらも再生していく物語なんですが、状況こそ違いますが10年の歳月の間に自分達もいろいろなことがあったなぁと思いに耽ったりしました。映画の中でリリーフランキー演じる夫が子供の時の体験で父が自殺をしたときの話をしその真相は誰にもわからない出来事であったことに触れて「本当の事は本人にしかわからない」という台詞があるのだけれど、10年経って夫の考え方の根底にあるものを妻がはじめて知る場面なのだけれど。夫婦って互いにわかっているようで実は10年経ってもよく知らない部分があるんだなぁと痛感させられました。感慨深かったですね。そのほかにもいい場面が沢山ある味和深い作品でしたよ。キャストもグッドでした。夫婦の危機にあるひと幸せな人もこれから結婚するひとも・・・是非。

2005/9/3 ishikawa

28歳の革命 39歳の別れ

チェゲバラ
28歳の革命」&39歳別れの手紙」公開されて暫くたちますがやっと観ました。「28歳の革命」キューバ革命でゲバラがカストロと出会いキューバ革命を成功させるところまで。「39歳別れの手紙」こちらはボリビアでの革命の失敗の物語でゲバラの死がが描かれている。労働者のデモを武力によって押さえつける政権の状況は武力を持って対抗する状況にある。映画の中でゲバラは言う。しかしそんな過激な発言とは裏腹にゲバラの人への優しい眼差しと高潔な正義心こそが、同志たちを引きつけ彼を英雄にしたのだろう。この映画を観る前に彼の若かりし日の南米大陸横断の旅を描いた「モーターサイクルダイアリーズ」を是非観て欲しい。

 2009/8/7 ishikawa

ヒトラーの建築家 

建築史ではアルベルト・シュペーアはファシズム建築として位置づけられていて日本ではそれ以上の詳細はあまり紹介されることはない・・・と思う。そのシュペーアについてのドキュメンタリーである。ドイツでTVドラマとして制作された4部シリーズのDVDをやっと見終えた。終戦60周年を記念しているらしいので約4年ほど前のドラマである。DVDの概要は以下の通り、ドイツのTV局が力を入れて制作しただけあって見応えがありました。

第一部:戦争の記憶
シュペーアがヒトラーの片腕として権力の中枢で力を振るった絶頂期から、戦争を経てニュルンベルグ裁判の被告へと墜ちていくまでの姿を彼の子供たちの記憶を中心に展開される。

第二部:ニュルンベルグ裁判
ニュルンベルグ戦犯裁判のドラマである。実録のフィルムアーカイブを交えながら、シュペーアが戦犯としての責任を認めたこと、そして権力者から距離を置こうとした彼の主張が、純粋な改心だったのか、それとも生き残りをかけた冷静な計算の上だったのかに迫る。

第三部:牢獄のシュペーア
シュペールが20年の刑期を過ごすことになったスパンダウ刑務所での晩年のドラマである。彼はここでベストセラーとなる書物を書き、虚実をない交ぜにして歴史を作り変えようとした。ドラマは最後に、長い間独裁者に翻弄されたドイツ国民が、平和を希求する民主国家として新しい時代へと歩みだしていくことを予感させている。

シュペーアの息子や娘たちがドキュメントに登場してインタビューを受けていた点が面白い。(息子の1人は高名な都市計画家でもある。)その息子たちを出演させながらシュペーアのアウシュビッツに対する責任について歴史家が鋭く切り込んでいる点がみどころのひとつでしょうね。
自明のことですが戦争責任について態度がドイツと違うのはやはり対象が天皇とヒトラーの差でしょうねあらためて認識しました。

シュペーアの建築の馬鹿げたスケールを知るのにも面白いし、なによりそのベルリン計画の軸線を設定するために大量のユダヤ人が住宅を強制接収され、その結末がアウシュビッツであったことは興味深い史実であります。

2009/7/27

バオバブの記憶

「バオバブの記憶」という映画を観ました。

 映画の舞台はセネガル、アフリカには行ったことがないので、未知の国だが日本から観たら地球の辺境の地、セネガルにも環境破壊、つまり近代化の波が押し寄せているようで、道路、住宅地開発といったことがすすめられていて、かつて草原にあったバオバブが切り倒されて、整地されたり、草原がゴミで覆い尽くされた場所となったりと環境破壊の浪は地球の辺境と思っていた所まで押し寄せているようである。映画ではセネガルの首都ダカールから車で2時間ほどの村で撮影されていて、12歳の少年の生活を追いかけながら、まだバオバブのと共生する村人達の生活を記録している。

 バオバブの木とは時に食料となり、道具の材料となりなる生活に欠かせない木とあると同時に日本で言う御神木として崇められている、村人達はイスラム教徒であると同時にアニミズム、自然信仰をも持っているのである。映画の中で盲目の祈祷師が病人に対してバオバブの言葉を借りて病気の治療をする場面や、収穫をバオバブに感謝する場面などが記録されている。そうした古くからの習慣を映し出す場面だけではなく、子供達がおしゃれをして学校に行くシーンや市場で働く父親やテレビでセネガル相撲の試合を観る場面など映画では近代的な生活の足音がこの村の直ぐ近くに来ていることをカメラは写しだしている。

それにしてもバオバブの大樹は神々しいです。ポレポレ東中野では1階のカフェで写真展も開催されています。

 ちなみにバオバブの木とは個人的にはマダガスタルの固有種と勘違いしていたのでアフリカに多く分布していることに少し驚いた、ただやはりマダガスタルのバオバブはアフリカ本土のものとは少し形が違い、固有の進化をしているのだろうとは思うのだが。

バオバブの記憶公式HP
ポレポレ東中野HP

2009/3/30 ishikawa

No Country for Oldmen

DVDで鑑賞。
ハッピーな映画ではないのでクリスマス・イヴには見ないように。暴力それも理由なき暴力、相手の都合も人情もなにもかも通用しない理不尽な暴力に対する無力感に覆われた映画です。日本でも秋葉原の通り魔事件がありましたが、ニュースを聞くだけで無力感がただよう暴力事件の根はいったいどこにあるのか?そうした不安な世界を象徴しています。ハリウッド映画といえばダイハードの主人公のようにタフな正義の味方が物語をハッピーエンドへと導いてくれますが、この映画はそれは180度反転しています。監督のコーエン兄弟は、そんな理不尽な暴力に覆われた世界、その原因であるアメリカという国家を描いています。アメリカを殺人鬼に例え、大金をもって逃げるモスはもしかしたらイラクなんでしょう、将来それはEUやロシアかもしれません・・・・日本はこの映画いえば最後に殺人鬼の怪我の手当の手助けをして小銭を貰って喜ぶ少年二人なんでしょうね。

 No Country for oldmen 映画を見終えるとoldmenとは古き良きアメリカのことで、世界にそのような古い秩序が通用しなくなってしまったことを「No Country for oldmen」は象徴しています。

2008/12/24 ishikawa

カフカの「城」

東京タワーの次にこれですか?これは確実に眠れる映画です。ウィークデイはどうしても夜にDVDをみるので、自分も実際に3晩にかけてやっとこの映画を見終えました。映画を見終える途中で昼間ネットで少しカフカの城について調べたりしながらという有様でやっと見終えたわけですが・・・・。感想を言うには少し知識が足りないですね。つたない感想だけ。見終えた時、思い出したのはタルコフスキーの「ソラリス」や「ストーカー」であった、なにか実態の見えないものに支配される閉塞感とその実態なきものへと探求を続ける人間の姿。「わかった」と理解することがあってもそれが新たな疑問へとつながっているだけで答えなど永遠にないことにあるとき気づきます。カフカの「城」では測量技師Kが実は自分は一体誰なのか?という問いを続けていることに気づかされます。そして未完である原作のように答えはどこにもなく、ただただ人はその答えを探求すること、それが人間の「生」の姿であり、運命なのだと、「ソラリス」や「ストーカー」でも探求の果てに見つかるものは何もなく、外側に向いていた力が内面の問題へと反転していきます・・・・カフカの生きた時代も世界大戦があり世界が閉塞していましたし、タルコフスキーもソビエトという閉塞した社会で映画を作っていました。こうした社会のトーンがこれらの映画に独特の暗さと閉塞感をあらわしている。

 この作品は1997年というわずか10年ほど前の作品である。ハネケ監督の映画はいつも観客に結論をゆだねて様々な解釈を観る者に要求する。そういう意味でカフカの「城」自体ハネケ監督の作風そのものといえる文学作品である。ネットの解説には忠実に原作を再現していると書かれていたが、元々テキストであるのでやはり監督の解釈なしでは映像化できるものではない。ラストカットも通常の映画ではあり得ない終わり方で、衝撃的である・・・・がこれも原作に忠実であるらしい(未読なので)。ハネケ監督独特の解釈、その狙いのひとつは、テキストと映像のズレを観る者に体現させることだったのでは・・・でなければ誰もラストカットに衝撃を受けないだろう、小説と映画という媒体の違いを感じることで忠実に小説を再現していた・・・と信じていた映画全体をも、再解釈へと誘うという、ハネケ監督一流の皮肉なのだろう。

2008/11/28 ishikawa

東京タワーオカンとボクと、時々、オトン

原作者のリリーフランキー氏は自分より5歳年長である。自分は地方出身者ではないが、都会育ちでもないので、やや原作者の体験とはズレている部分もあるが、時代感覚はとてもよくわかる内容で自分の学生時代に重ね合わせ追体験するように、この映画を観ることができた・・・・つまり東京で自堕落な生活を謳歌したあげく・・気がついたら取り残されていたというあたり・・・これはもう地方出身者の典型で、ここから立ち直るか故郷に帰っていくかというあたりが人生の岐路なんですよね。
で、この映画の主人公は見事に立ち直って行くわけですが、散々苦労をかけたオカンを呼び寄せて東京での幸福な暮らしは長くは続かない・・・・そして悲しい結末へと続いていく・・というありきたりの物語です。ありきたりな物語なんですが何の飾りもなく原作者の自伝であるあたりがかえってリアリティを持って観る者を引きつけるのでしょうね。派手さも抑揚も抑え気味でシンプルで淡々と物語が進んでいくあたりが秀逸でした。遅ればせながらいい映画でした。

205/5/19 ishikawa

隠された記憶

ミヒャエル・ハネケ
お世話になっている洋書屋Y氏のお薦め実はミヒャエル・ハネケ監督作品をはじめて観ました。

誰にでも過去に隠して掘り起こされたくない記憶のひとつやふたつはあることと思う。
そうした記憶をある日突然に誰だかわからない人物にビデオテープで隠し撮りされながら、現在の幸せな生活の中に晒されてしまったら・・・・。
この映画はこうした設定をミステリー仕立てで映画にしている。この映画には映画音楽が全く使われていないのだが、独特な映画のリズムと日常音の世界はアントニオー二の映画を彷彿とさせる、凝視しないとよくわからないような視線と長回しは「さすらいの二人」の有名なラストの長回しを思い出した。

この映画で重要なのはビデオテープの犯人は誰であるかではなく、個人の問題のように思われていた隠された記憶が、実は、家族、地域社会、国家まで含めそれぞれの政治的な作用に起因しているところまで監督がつなげていくところだろう。

ラストカットに過去の隠された記憶に対して子供達が裁判を下したかも知れない場面があるのだがハッキリとはわからない表現になっている、政治的な作用が個人に及ぼす影響も実は曖昧でそれは個人にも本当はわからないのではないだろうか。客観的事実などは実は存在しない。観る者が誰が犯人かを想像することでこうした事実に気がつくことで見方によって事実が異なり、個人(家族、国家)が主観の外に出られないという不条理な矛盾の迷路に誘い込むことが監督の意図なのである・・・と思う。

少し疲れる映画です。体力のある時に観ることをお薦めします。

2005/5/18 ishikawa

 浮雲

「浮雲」1955年公開の古い映画を見ました。

なぜこんな映画を見たかといえば、「映画監督のお気に入り&ベスト映画」というあまり新しくない本を持っていて、たまに思い出しページをめくります。その中で「浮雲」に高い評価をしている監督が数名いたのでという程度でレンタルしてみました・・・・実はこういうパターンで借りることしばしばなのですが。映画は林芙美子原作で当時女性を撮らせたらナンバーワンと言われていた?成瀬巳喜男監督です。戦後の混乱期の男女の愛憎劇、しかも生まれる遙か前ということもあってなかなか感想を述べるのも辛いというのが正直なところです。簡単にいえば不倫をしている男女のドロドロの物語で時代も戦後の混乱期で背景も物語もドロドロで、最後は確か鹿児島から屋久島まで二人は流れていくのですがやっぱりほとんど雨ばっかりのドロドロの島でドロドロした物語が終わるという本当にドロドロした映画なのです。古い映画だけあって東京の風景、千駄ヶ谷駅の駅舎や外苑?代々木上原、伊香保温泉など興味深かったですね、特に千駄ヶ谷はカフェをやったところなので、昔はあんなだったのかぁとか、こんなところで逢い引きしてんだぁとか思ったり、実はこういうのも古い映画の楽しみだったりします。

2008/10/15 ishikawa

無能の人・・・・「石を売る」

つげ義春、先日、友人にすすめられて読みました。映画もみました、もちろんレンタルですが。

原作の漫画を読んだ上で映画を見た方がよいとアドバイスあったので、素直にその順番で鑑賞しました。
漫画を読んだあとは正直、滅入りました。まぁこの本をすすめられたきっかけも関係していますが、仕事が順調でない時、特に自営業の人、そしてモノをこだわりを持って作っている人はこの本を読むと滅入りますね。
建築家も無能の人のように石を売るのと同じような商売なんだとつくづく思いましたし、逆にそうはなりたくないと言う部分と複雑な心境に陥りました。
これは漫画を読んだあとの感想です。
そして映画はといえば・・・・正直漫画と物語は同じなのですが、俳優が漫画をパロディ化していて、さらにゴンチチの音楽が妙にホノボノしていて・・・漫画で感じたシリアスさを感じることはなく、コメディと化していました。はたして原作者はこの映画に満足しているのだろうか・・・・・?という感じでした。同じ物語でこうも印象がちがうものかと感じました。竹中直人のキャラクターなんでしょうね。興行としてはこのほうがいいでしょうね。公開もバブルまっただ中らしいですし。

余談ですが
漫画の後書きが吉本隆明が書いていたのには少し驚きました。

2008/10/11 ishikawa

アルモドバル 4作

ボルベール以来アルモドバル作品を4作続けて見ました。

ボルベールは最新作であったので次第に時代をさかのぼる形でこの監督の作品を4作鑑賞。
共通しているのは普通じゃない人々の映画です。端的に言うと変態達の映画です。ゲイやホモに加えてフェティッシズムなど登場人物とその主題がかなり倒錯しています。グロリアの憂鬱ではストーリー展開もかなり倒錯していましたが、時代が新しくなるにつれて映像美とシナリオが洗練されるのがこの4作で感じられました。
ただグロリアの憂鬱も最後に救いがあるように、倒錯した物語も最後はなぜか暖かい視線に包まれるのこの監督独特の雰囲気を醸し出しています。バッド・エデュケーションとグロリアの憂鬱はテレビドラマです。

「オールアバウト・マイ・マザー」

「バッド・デュケーション」

「トーク・トゥ・ハー」

「グロリアの憂鬱」

2008/9/4

ボルベール

監督: ペドロ・アルモドバル
感動しました。

 

スバラシイ物語でした。映像もスペインらしくビビッドで芸術的でした。
実はこの監督の映画ははじめてみましたが、人間描写と脚本がとても好みでした。物語は主人公とその娘、姉、そして死んだはず母、隣人と全て女性の視点で描かれています。それぞれは故郷でのある事件に因縁と互いにひとりでは調停できない重荷を背負って生きています。物語はそうした不条理な重荷をそれぞれに抱えながらも、死んだはずの母の登場によって帰郷したラマンチャの街で心の疵を調停していくという物語です。事件やその設定はかなり過激で絶望的なのですが、そうした不条理を調停できるのは故郷である母の愛なのでしょうね。とても深い物語でした、映像も美しくかなりススメの映画です。

2008/6/12

萌の朱雀

7年カンヌでカメラドール(新人監督賞)受賞の映画です。
奈良の西吉野というとても山深い場所で撮影された映画です。

山村の原風景とも言える舞台設定のなか、物語は淡々と何の抑揚もなくドキュメンタリーをみているように進んでいきます。次第、次第に山村の抱える問題やその家族に及ぶ影響、そして不自然な家族構成のわけや父の死によって崩れていく家族関係などほとんど説明的な表現は存在せずカメラが写した真実をそのままつなぎ合わせたような映画です。

映画の複雑な家族構成は監督自身体験によるそうですが、すこし複雑すぎて最後までよく関係がわからないまま???な台詞に聞こえてしまうあたりが映画としてどうなんだろう微妙でした、告白的にならないようわかりにくいままにしたのか不明でした。素人くさいと言われる映像表現ですが、わたしみたい業界人でない人間にはカメラワークがこの映画の質を高めていると感じました。居間から水平に山の稜線が見える高さ設定、台所にゆっくりよってまた引いていく場面、最後の場面(これはパッセンジャー的なカメラワーク?)などなかなか印象的でした。

わたしは好きな映画です・・・万人には薦められる映画ではないですが。

2008/5/22 ishikawa

コーカサスの虜

トルストイの「戦争と平和」をチェチェン紛争に設定を変え、叙情性あふれる描写で描いている。

監督のセルゲイ・ボドロフは浅野忠信が主演している「モンゴル」がアカデミー賞の外国映画部門にノミネートされたのは記憶に新しい。
チェチェンの村に捕らえられた二人のロシア兵捕虜を巡る物語で、戦争による個人間と民族間の心情の矛盾を描き出している。戦争による絶望感とはこういう事なんだろうなと感慨深い物語である。
ここから先は政治的であるのでオススメしません。
「俳優の顔をみればわかるが、チェチェンの村人とロシア人は全く別の民族である。チェチェンの人々は黒髪に太い眉と彫りの深い黒い瞳をもっている。世界の民族問題は深まるばかりであるが、この映画でもチェチェンの文化を丁寧に描いている。捕虜とロシア兵捕虜の交流も実は互いの違い(文化)を認め合う事から生じる。チベット問題も中国共産党の宗教に対する原理主義的な考えに起因するのだろうが、であるならば同一の国として強引に統治することが無理な政治理念を掲げていること自体に矛盾を抱えているわけで、これを国連に加入している国が解決することなど世界中が監視可能になった現代に最早できないのではないだろうか?ロシアやアメリカはこの問題をテロリズムと問題をすり替え自国の利益の為に軍を侵攻させている。アメリカの共産党への批判など中国主脳はなんとも感じていないし、我々も旧西側よりの報道だけを聞いているにすぎない。」ます。

2008/5/22 ishikawa

DEV GODA VILJAN 愛の風景

イングマル・ベルイマンが両親をモデルとした自伝的脚本を、この映画と「ペレ」で2度カンヌを受賞したビレ・アウグストが 監督しています。
3時間というかなり長編映画ですが、夫婦のなれそめから別離、和解を描いています。同じような人生経験をしている大人にしかわからない部分の多い大人の映画と思います。北欧を舞台とした映像がとても美しく、音楽も効果的、かつ俳優の演技もパーフェクトで素晴らしく完成度の高い映画です。内容は暗く心が痛い場面が多いのですが、味わい深いです。(日本語のタイトルは映画の内容と逆で甘い感じで好きになれません)

2005/4/26 ishikawa

RAGING BULL

ミドル級世界チャンピオン、ジェイク・ラモッタの自伝を映画化したもの。1980年公開だがほとんどが白黒で撮られている。

映画のオープニングは試合前のウォーミングアップでガウン姿のデニーロがシャドウをする場面がスロウで再生されマスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」が流れる。このボクサーの孤独と栄光を暗示する、静かで美しい映像を見るだけでもこの映画を見た価値があった。
この映画のデニーロの演技は後にデニーロアプローチという伝説を残すほど徹底している、ボクサーの肉体とスタイルを半年かけて身につけ、撮影を一端中止して4ヶ月後には25キロ太って引退後のラモッタ演じた。
映画はボクサーの孤独と栄光、挫折、そして修復、再生を描いて旧約聖書を引用したラストは哲学的でもある。

2008/2/13

雨月物語

溝口健二の映画は実ははじめて見ます。ヌーベルバーグの巨匠たち、タルコフスキーなどに影響を与えた監督として有名です、縁遠くいままで未見でした。
雨月物語はタルコフスキーが好きな映画のベスト10の6番目にあげられている映画です。琵琶湖のシーンや霧に包まれた映像美と独特のカメラワークはタルコフスキーの映像を彷彿とさせここに原点があったのかと改めて認識しました。また幽霊役の京マチ子の演技の身のこなしと台詞回しは必見です。
画質の劣化がやや残念ではありますが、溝口作品をもう少し見てみたい気にさせられる作品でした。

2008/1/25 ishikawa

SARABAND 

イングマール・ベルイマン監督の遺作。渋谷のユーロスペースのレイトショーで見てきました。

追悼上映と言うことでレイトショーのみの上映で観客は20名程度で、年配の人がほとんどでした。ユーロスペースには他にいくつか映画がかかっていましたが、やはり一番閑散とした感じで少し残念。映画は監督が30年ほど前に手がけた「ある結婚の風景」の続編として作られています。実はベルイマン監督作品を見るのはこれが2作目で「ある結婚の風景」も未見です。そんなことで映画の批評はとても書けないのでここではパスして印象のみ。まず人物のアップが多く終始その表情をカメラが捉えていて顔面フェチばりのしつこさです。ただその表情は肖像画のごとくライティングが完璧でハッとするような美しいシーンいくつもありました。そして画質がとてもクリアで美しいと初めから感じていたのですが、鑑賞を終えてパンフを読むと、上映はハイビジョンプロジェクター上映されたようです。ベルイマンはモノクロの時代から映画を製作していたわけですが、いち早くカラー作品、ハイビジョン作品と最新の映像技術を活かして映画を製作していたことになります。サラバンドはハイビジョン撮影された画像をフィルムに一度焼き直したらしいのですが画質の劣化が酷かったらしく、一番クリアに上映できるプロジェクターを使うことに監督が決めたようで、日本での上映も監督の意志によってプロジェクターで上映されたとのとこでした。本当にキレイな映像でした。そして自分の無知で恥ずかしいのですが、どこかで見た俳優?だと思っていたら「アレクサンデル」そうタルコフスキーの「サクリファイス」のアレクサンデル役だった俳優エルランド・ヨセフソンでした。名優でした。内容については感じ入る場面も多かったですが、残念ながら理解できたとは言い難いです、もう少しこの映画とベルイマンが遺した作品をゆっくりと見ていきたい。

2007/9/21 ishikawa

映画4作

恒例の夏休みの下田旅行とともにDVD4作レンタルし急行と宿で鑑賞。
・ニライカナイからの手紙
・アラキメンタリ
・るにん
・めぐみ-引き裂かれた家族の30
の順番で鑑賞。

旅行前日店に行って気になったものを端からチョイスしたので見終わって4作の組み合わせが全くバラバラであることが夏休みらしいというかあいもかわらあず分裂症気味な自分の趣向にうんざりです。

「ニライカナイからの手紙」

忘れましたが、昔これと似た設定でビデオレターを使うハリウッド映画があったような。
沖縄と蒼井優ちゃんの設定がキレイで純粋な気持ちで観ることが出来る映画でした。泣けたかというと例のビデオレターネタを思い出してしまって泣けませんでした。ただし俳優は皆いい感じでした。そういえばNHKの朝ドラヒロインの比嘉愛未がちょい役ででていました。・・・どんと晴れ!。

「アラキメンタリ」

天才アラーキーのドキュメンタリーです。蒼井優ちゃんもカメラマンのアシスタント役でしたがもしこのアラーキーのアシスタントだったらニライカナイからの手紙ももっと違った展開が・・・・と不遜なことを考えてしまいました。
この人には人をわくわくさせるエネルギーがみなぎっている。この映画を観てあらためてアラーキーは天才だと思うのであった。

「るにん」

長い!というのが第一印象。夏休みでなかったら途中で断念していたと思う。全体的に暗いし、救いがなく、正直あまり好きになれない映画です。

「めぐみー引き裂かれた家族の30年」

北朝鮮の拉致問題、横田夫妻を中心にしたドキュメンタリーです。拉致問題についてはテレビでも何度となく見る機会があって特に新鮮な映画ではなかったが、外国人が作りアメリカで公開されたことに意味があるだろう。

家族を取り戻すことが複雑な国際政治問題に結びついてしまうあたりにこの問題の不幸な一面がある。全て非公開にしてそっと拉致された人達を帰してはくれないのだろうか?家族の時間を取り戻せるならば拉致という罪を不問に付してもと考えてしまうほど切実な問題である。どうすれば拉致被害者を帰してくれるのだろうか?

2007/8/23 ishikawa

殯の森

夏休みになったら一番で行こうと決めていた映画。というわけで先週の月曜日渋谷のユーロスペースで観てきました。月曜は仕事の予定でしたが、急遽休めることが朝一のメールで判明し慌てて渋谷に出かけていきました。朝の1回目しかかかっていないので。久々にスケールの大きな作品に触れた印象でした。映像をもって日本古来の死生観を感じることができる濃厚な映画である。物語はグループホームの職員であり子どもを不慮の事故で亡くした体験をもつ真千子と30年以上前に亡くした妻を大切に思うしげきとの交流を描いている。映画の最後はしげきの妻の眠る森へと二人で墓参りに行くのであるが、その森で体験する出来事によって真千子の心の再生が次第になされていくのである。カンヌのグランプリ(最高賞はパルムドール)を受賞した映画だけあって、特に映像の美しさ、ドキョメンタリー調の音声で状況を把握させる手法が秀逸でした。説明しすぎずわかりにくさを残さずという微妙な緊張感を保っていて想像力豊かな監督の才能に感心した次第です。(物語の本質的な部分について新聞など様々なところで批評されているのでそちらを参照ください)是非オススメ映画なのですが東京では8/24以降は上映していないようなのと全国でも小さな映画館でしかかかっていないようでとても残念。

殯の森 公式HP

2007/8/21 ishikawa

奥田瑛二監督作品

奥田瑛二をはじめて知ったのはいわゆる80年代後半のトレンディドラマに俳優として出演していた頃である。それから文芸作品に映画俳優として出演するようになり2001年に「少女」で監督デビューした。

実は俳優としての奥田瑛二を映画ではあまりみたことがない。なぜなら日本のメジャー映画はあまりみないから・・・。
しかしついにこの春から夏にかけて3作すべて観てしまいました。きっかけは興味本位ですね、全部見たのは、はじめに観た「少女」が面白かったから。
三作ともテーマも設定も異なる映画で完成度も高く器用な映画監督という印象でした。ただしストーリー展開はハッキリ言って三作とも展開がくどくて終わりかなと思ってから二転三転するあたりがイマイチ。特に「るにん」は長すぎ!

「長い散歩」

最新作、緒方拳と子役の子が素晴らしい。ネグレクトなど家族問題や若者の自殺など社会的な問題をテーマにしている。ハートフルなエンディングかと思いきやラストはシュールで冷たいシーンが待っています・・・・しかしUAのカバーとはいえ「傘がない」はいくら何でも古すぎ!あの曲で映画自体が過去へと逆戻りしたのが凄く残念。昔の話だったの?

「るにん」

俳優奥田瑛二の迫真の演技が観られます。松坂慶子もなかなかです。映画としてはたっぷり時間があるときにどうぞ。

「少女」

これはとても好きです。奥田監督のデビュー作です。
人生を挫折して惰性で生きている人間があるきっかけによって「生」を取り戻す、あるいは取り戻そうとする。3作共通のテーマ?かもしれません。監督自身の経歴に近い?のかもしれません。

2007/8/20 ishikawa

ベルイマン、アントニオーニ没す

合掌。
ベルイマン89歳、アントニオー二94歳。相次いで亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。amen.

ベルイマンの作品は日本では質の良くないDVDが高価に売られているようで、なかなか多くの作品を簡単に観ることはできないのが残念です。アントニオー二は1昨年あたりから安く質の良いDVDが出回りはじめました。
両巨匠の作品は数本観ましたが、マイナーな作品はやはりレンタルで観ることができず、DVDにもならずです。映像配信される時代になれば観られるでしょうか?著作権保護が50年はいくら何でも長すぎです。

2007/7/31 ishikawa

ゆれる

1週間ほど前にDVDにて鑑賞。西川美和監督は1974年生まれ、わたしより6歳も若い監督がカンヌに出品するようになると時の流れを感じます。(去年のことですが)

口コミを見るとなかなか評判が高いよう、ネットで西川監督の美貌を拝見して、どんな映画なのか気持ちを高め、いざ鑑賞。

男兄弟、しかも兄が地元で家業を継ぎ弟は東京でカメラマンをしている。兄のガソリンスタンド働く娘・・・弟の旧友で弟が東京で成功したことに憧憬の念をもっている、そして兄は密かに思いを寄せている、つまり三角関係。まじめで背が低く垢抜けない兄、東京でカメラマンしてオダギリジョーな弟。表面的には兄の気遣いによって仲の良い兄弟だが互いの境遇にについては距離をおいている微妙な関係。映画では3人一緒に遊びに行った渓谷の吊り橋で兄と娘二人で渡っていた最中の娘の転落死によって兄弟の微妙な関係が事故か殺人かで裁判の進行とともにあぶり出されていく。真相を互いに語らず時間に流されていく様はこの兄弟が大人になってから過ごしてきた時間を象徴している。しかし裁判によって弟が娘と最後の晩に寝ていた事が周囲にわかってしまいそうになった瞬間に兄弟の態度が反転する。

男兄弟は本音で話さないし会ったときも必要以上に会話などしない、たまの会話もぎくしゃくしていている。大人になると距離をおいてしか付き合えないものだ。映画では死んだ母が残した子どもの頃の8ミリフィルムが兄弟を再び結びつけるように無邪気な時の思い出くらいしか素直に男兄弟を結びつけるものはないのかもしれない。女性監督にしては鋭い洞察力。

映画は弟であるオダギリジョーの視線で作られていて同じ弟である私には気持ちが伝わる映画であった。最後に兄がほほ笑むシーンこそ兄弟の本当の関係を象徴している。兄はいつも弟を守っていたのである。

2人兄弟の人にオススメの映画です。

2007/7/06 ishikawa

A2

ドキュメンタリー映画
「A」はレンタル出来ずに書籍で断念、「A2」はやっとレンタルでき早速、鑑賞しました。

これはテレビでは永遠に放送されることがない映画である。

オウム事件は次第に薄れつつあるが、このドキュメンタリーで危惧されているマスコミ報道の「ウソ」は次第にエスカレートしつつあるのだろう。オウム事件とその後のマスコミ報道は「殺人集団」「マインドコントロール」など一方的に教団を糾弾する報道一色であったように記憶している。しかも相当ヒステリックであった。このドキュメンタリーがなければそういった報道の信憑性が疑われることはなかっただろう。そういった意味でこのドキュメンタリーはオウムという宗教団体を扱ったドキュメンタリーではあるが、本質はマスコミ報道に対する批評として製作されているのである。現実と報道の乖離は今も悪い方向に向かっていると感じる人、マスコミ報道に疑いを持たない人も是非一度見て欲しい映画である。

テレビでは永遠に放送されることがない映画であるから。

2007/6/26 ishikawa

dpaはUNHCR協会を通じ難民などの支援をしています
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井戸掘り体験会W.S
2015年6月6日土曜日にdpaアトリエの前庭にて井戸掘り体験work shopを開催します。dpaではかねてより「水」をコンセプトとして建築づくりを研究しています。井戸掘りは地下水利用による建築を設計するためのデータ収集用に設置することにしました。
ご興味ある方は6月6日に井戸のある住宅の展示も予定しいますのでご覧いただき、ご指導、ご意見いただければ幸いでございます。
当日、直接来ていただいてもかまいませんし、作業をしたい方はフォームにてご連絡下さいませ!
6月6日の予定
9時より準備作業、掘削開始
12時〜13時昼食
13時〜16時掘削作業
協力:シップスレインワールド株式会社
未来をのぞく住宅展
下記イベントに参加します!
ご来場をお待ちしています。
ASJ東京中央スタジオ
武蔵野市民文化会館 展示室
3/20(土)12:00〜18:00
3/21(日)11:00〜18:00
入場無料(終了しました)
リニューアル中
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リノベーション×建築家
ASJ武蔵野スタジオ
小金井市民交流センター B1・市民ギャラリー
東京都小金井市本町6-14-45
1/31 (土) 11:00~18:00 
2/1 (日) 11:00~18:00 入場無料 (終了しました)