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2008&2009

01・ピラミッド建造の謎

02・土門拳記念館

03・鶴岡

04・羽田第二ターミナル

05・横浜大桟橋

06・省エネ性能カタログ

07・自立循環型住宅へのガイドライン

08・槇文彦「近作を語る」講演会

09・浅草

10・駅Cafe Openしました

11・駅Cafe Open 二日前

12・駅Cafe その3

13・駅Cafe その2

14・団地萌え

15・駅Cafe その1

2006&2007

16・銀座に登場したPop Architecture

 〜ニコラス・G・ハイエックセンター

17・ミッドとタウンと新国立美術館

18・ル・コルビジェ展@森美術館

19・藤森建築と路上観察

20・The Nomadic Museum

21・7%

22・集まって住む 3

23・集まって住む 2

24・集まって住む 1

25・51C 家族を容れるハコの戦後と現代

26・「今日はあなた 明日は私」

27・MY ARCHITECT

ピラミッド建造の謎

建築を仕事にしている人間には面白い内容でした。5000年も昔に建造されたクフ王の大ピラミッド。この建造方法に最近提唱された有力な新説があらわれ、その新説について詳しく検証していくドキュメントでした。この新説を考えたのがフランスの建築家ジャン・ピエール・ウーダン氏で、氏は1999年にピラミッドを見たときから10年をかけて建造方法の謎にチャレンジして新説に辿り着いたらしいのです。

何より興味深かったのは、この新説を考古学者ではなく建築家が解き明かしたと言う点と、建築現場を沢山経験している経験主義的な合理性を感じた点である。番組を見て謎が解き明かされると建築に携わっている人が見たら、何故?いままでこの程度のことが謎だったんだろうと感じる人が建設業界の人には大勢いたのではないだろうか?例えばこの謎解きを日本のゼネコンが本気で取り組めば1年で結論がでたのではないだろか?というくらい単純なのである。つまりいままで有力とされた説には建設施工者としてのセンスがないのである。この新説には実際の現場で経験した施工方法を考えるセンスが光っているのである。 分野を横断した知識や経験というのは大切なのですね・・・とピラミッドの建造方法と同時に興味深く拝見させていただきました。
 見逃した方は2009712日(日)午前10時~ BS2(あなたのアンコールサンデー内)で再放送されるのではお見逃し無く。ちなみに番組は「エジプト発掘」という3回シリーズで紹介したものが第一回なのであと二つあります。

2009/7/16 ishikawa

土門拳記念館

鶴岡から酒田の土門拳記念館へ。

ここを訪れたのは15年以上前である。確かその時はじめて谷口建築を見たと記憶している。その後、谷口作品の多くの美術館を見た中でこの作品は最高傑作の1つと思っている。1つといいうからには複数あってもう1つは上野にある法隆寺宝物館だと思っている。
この建物を調べてみると1983年竣工となっていて、今年で26年経過している。今回訪れて驚いたのは26年経過した建物には見えないということである。素晴らしく綺麗に使われていた。このレベルで維持するには相当メンテナンスに気を使って維持していることは言うまでもないが、設計、施工もそれに耐えうる質の高いものであったんだと思う。デザイン優先で竣工後に酷く汚れた姿になっている建築も沢山ある中で、この建物には本当に感心した次第であります。

温度22度湿度48
帰り際に館の人に「本当に綺麗に使っていて驚きました」と伝えたところ、空調も2日に一回メンテに来ると言ってました、また設計者も度々訪れているそうです。

2009/4/28 ishikawa

鶴岡

山形県鶴岡市。
山形は最近で言えば、「おくりびと」少し前には「武士の一分」「たそがれ清兵衛」など映画のロケ地となったりしています。鶴岡市は藤沢周平の出身地ということで武士の一分」「たそがれ清兵衛」などが撮影されたました。山形県も広いもので、山形市周辺は山に囲まれていますが、鶴岡は庄内平野にあり日本海に面した平らな田園地帯です。今回訪れたのはその昔、城のあった鶴岡公園周辺の公共施設を見るためです。

以前、鶴岡には仕事で5年くらい関わっていたのでこの場所は何度も訪れたことがありました。鶴岡の最後の仕事は鶴岡アートフォーラムの設計で、私は基本設計のアップまで関わり、実施設計を前に会社を退社し、今のアトリエを設立しました。アートフォーラムは既に竣工から数年経過していますが、独立後の仕事関係など・・まっいろいろありまして、今回初めて訪れた次第です。

竣工写真も見ていたせいか、自分で設計に携わっていたので、想定通りというのが第一印象でした。ただ実際に見てはじめて気づく良い点、やや・・・というところとありますね。ただ全体からすればこの場所に相応しい高いクオリティで出来上がっているのは間違いありません。

勤めていた頃は鶴岡出張はなかなかよい思い出で、人も温かかったと記憶しています。

鶴岡は個人的にはセンチメンタルな土地ですね。

2009/4/25 ishikawa

羽田第二ターミナル

前日の続きで、横浜の帰りに羽田に行ってきました。

実はこの第2ターミナルははじめて訪れました。シーザー・ペリのデザインで、日本では西新宿のNTT本社を手がけています。

結論から言うと、なかなか良かったです。少し商業建築っぽいテイストなのが、賛否あるのかも知れませんが、スケール感がほどよく気持ちの良い空間に感じられました。このあたりは百連錬磨の巨匠ということで、さすがと言うことなんでしょう。

中心のシリンダー状の吹き抜けには千住博のタペストリー(といってよいか?)フォーリンウォーターがあります。実はこれペリの建築に不似合いな印象。空間がギラギラしたアメリカンテイストなので、墨絵っぽいこの絵画はミスマッチで、しかも構図も横長なのも吹き抜けと合ってない印象。思い切って縦長の構図のほうが・・・・・・。

横浜大桟橋

横浜大桟橋に久しぶりに行きました。ここを見学に訪れた理由はカナダから友人が15年ぶりに来日し、横浜大桟橋を見たいといったからである。15年前には無かった建築ということである。久しぶりに訪れた大桟橋は少しデッキの色が褪せたかなと思うくらで特に変わった様子はなかった。大桟橋の屋上は建築と言うより地形といった様子でデッキと芝生しかそこには無いのであるが、大きなスケールの割に退屈しないのは、やはりこの地形のような造形によるところが大きいと思う。

赤煉瓦のカフェで頼んだアイスカプチーノ・・・735円・・・。再び大桟橋に。インテリアも何も変わらす。このスチールプレートは個人的にはいまひとつな感がある、ルーフの流れるような造形がインテリアでは感じられないから?ちょっと大袈裟な感じもする。

2009/4/8 ishikawa

省エネ性能カタログ

省エネ性能カタログ2008年冬版
家電商品の省エネ性能を比較したカタログです。

住宅の主なエネルギー消費はの割合は
「暖房」18~24
「冷房」1.6~3.5
「給湯」23~32
「照明他電力」38~46
と言われています。

また電力消費の割合は
エアコン25.3
冷蔵庫15.2
照明11.2
家電製品の待機電力12.7

このカタログは「エアコン」「テレビ」DVDレコーダー」「冷凍冷蔵庫」「ジャー炊飯器」「電子レンジ」「蛍光灯器具」「温水洗浄便座」など住宅で主に電力を消費している家電製品について目標年度と目標消費電力の基準を定め、その基準を達成できていれば省エネ基準達成率100パーセントということで数値化しています。このカタログが重要なのは消費者にとってメーカー間の製品を同じ基準で比較することが出来ると言うことです。消費者はメーカーのカタログでは比較する為にそれぞれのカタログの仕様に書かれた数値を抽出して客観的にメーカー間の比較をすることが困難ですが、このカタログがあれば省エネ性能が高い順にランキングされ、しかも季節ごとの比較や年間の電力料金への換算まで知ることができます。製品を購入する際に省エネ性能を気にする消費者が今でもどの程度いるかわかりませんが、同じ機能ならランニングコストがかからない製品を選択することは容易に想像できます。また設計者としては数値の意味を知ることは決して無駄ではありません。例えばエアコンの季節ごとの消費電力を考えれば、古来からのいわれている「夏を旨とすべし」というのはエアコンにとっては消費電力を増加させるだけで、冷房の2倍以上もエネルギー消費している暖房の消費エネルギーを小さくする住宅設計のほうが1年間のエネルギー消費をより小さく出来ることになります。ちなみにカタログはガス、石油機器編もあります。カタログは送料のみ着払いで財団法人省エネルギーセンターから入手できます。啓蒙の為に家電量販店にもおいたほうがよいと思いますが、見たこと無いですね。自立循環型住宅への設計ガイドラインの講習会の時の話ですがここ10年で家電製品の省エネ化はかなり進んだそうです。特に冷蔵庫はここ10年で半分くらいの消費電力になってるらしいですよ。エイプリルフールですがまじめなネタでした。

財団法人省エネルギーセンターtop
財団法人省エネルギーセンターカタログページ

2009/04/01 ishikawa

自立循環型住宅へのガイドライン 

表題の取り組み自体は昨年の「建築技術」に掲載されてから関心をもっており、ちょうどそんな住宅の計画を考える機会もあり、講習会に参加してきました。
自立循環型住宅の設計ガイドラインとはなんぞや?ということですが、このガイドラインを作成したのは「財団法人・建築環境・省エネルギー機構」という財団で、この財団が2000年頃の4人家族の標準的な住宅の仕様とライフスタイルを前提条件としたエネルギー消費を算出し、その前提条件から12の要素技術と呼ばれる設計手法を取り入れると省エネ効果がどの程度見込めるかを数値化し、その総和がエネルギー消費50%削減を目指している、可能であるというガイドラインである。
では実際の要素技術とはどんな項目かということですが、「自然風の利用」「昼光の利用」「太陽光発電」「日射熱の利用」「太陽熱給湯」「断熱外皮計画」「日射遮蔽手法」「暖冷房設備計画」「換気設備計画」「給湯設備計画」「照明設備計画」「高効率家電機器の導入」の12手法と「水と生ゴミの処理と効率的利用」であります、最後の項目は手法としては確立されているのですが、省エネの数値化が難しくて外されていると言うことでした。
 個々の要素技術の内容は今現在使うことが可能な技術によって構成されていてとても具体的で目新しいこともほとんどありません、ではこの設計ガイドラインがなぜ必要なのか?ここが肝心なのですが、今現在、住宅設計で使われている様々な技術を使うことで総和としてどの程度の省エネが見込めるのか、その評価の物差しを作ったということなんだと思います。
いままでこの外張り断熱をすると暖房費が削減できるとか、この設備を導入するとこのくらい省エネになるとかは、個々のメーカーが個々の前提条件で算出したもので、前提条件揃っておらず、メーカーが変われば数値の意味も異なり、わかりにくかったのです。したがって財団では、その前提条件を決めてしまってこの基準からどの程度省エネなのか評価しましょうということにしてしまい、且つ全体の総和としてどの程度省エネかということが容易に数値化できるようになりました。

これは個人的には大変、画期的なガイドラインであると思います。

 実は建築全体で言えば他にも評価のガイドラインはあるのですが、難しくて使いにくいのが実情ではないでそうか。しかしこのガイドラインは住宅に特化したことで簡単で誰でも使うことができるものになっている点で画期的であると思います。

この講習によってdpaの住宅設計も少し体系化して新たな展開を考えようかなと思っています。

自立循環型住宅HP

ちなみに300ページ近いガイドラインは一般販売はされておらず、講習会参加者のみに配布されているものです。

2009/2/23 ishikawa

槇文彦「近作を語る」講演会

建築家 槇文彦氏の講演会を昨日聞いて参りました。

有楽町マリオンにある朝日ホール6時半からの講演会でした。主催は防水の東西アス協同組合と田島ルーフィングです。毎年建築家を招いて東京都と大阪で開催してます。700席以上座れるらしいですが、ほぼ満員でした。
 講演会の副題として「グローバリゼーションの中で考えること」とあり、近作の紹介は海外のプロジェクトがほとんどでした。槇事務所のひとつの特徴として精緻なディテール建築がまず思い浮かびますが、いままでは槇氏が日本のゼネコンと50年近くにわたり仕事を重ねて結実したものである訳ですが、その精緻な表現を日本のゼネコンがいない海外でその地の文化と向き合いながらクオリティを落とさずに作品とすることの、困難さや楽しさを中心にプロジェクトごとに説明をされていました。アメリカではファブリケーターのユニオン同士のコーディネーションをモックアップで練習してから施工したこと、スイスのプロジェクトでは眞事務所がゼネコンの役割をして施工を取り仕切っていることなど、海外の建築文化の中で槇事務所の建築のモノとしての質を実現するか興味深い話をされていました。
 またモノだけではなく、空間の質も同時に海外文化の中で施工と同じような実現の過程を説明されていました、その中で興味深かったのは、海外の文化や人の振る舞い(ビヘイビアと言ってましたが)はそれぞれ違うのだけれど、その理解に若い頃に文化人類学を習ったことがとても役にっているとおっしゃっていたことです。アメリカ人の空間に対する振る舞いや、アラブ人のそれなど文化人類学に還元して理解してるのだと、感情的にならずに客観的な物差しで文化の違う人を観察しながら楽しんでいる風な語り口でした。

振り返って淡々と説明される槇氏なのですがその淡々とした印象とあ裏腹に各プロジェクトはその地域にとって重要な施設ばかりで、建築の質もそうですが、クライアントの質も相当高く、それを普通に説明されるあたりで、もはや雲の上の人という印象は否めなかったですね。それと講演の間一時間半以上立ったまま説明されたいたことも個人的には印象深く80歳を超えてなおあの体力はやはり並みではないと感じました。

 他にもメモには時間に関することなど重要なメモ書きも沢山あるのですが、毎年テキストが本として配布されているので、ここでは簡単な感想にとどめておきます。

2008/12/5 ishikawa

浅草、江戸博

浅草です。雷門の斜め正面に浅草観光文化センターが見えます。この建物の建て替えが公開コンペになっています。
こうして写真を撮ってきたので参加するつもりです。で、1日経って江戸東京博物館に来ました。ここで「浅草今昔」という企画展をしているのでコンペの参考にということで足を運びました。
久しぶりにこの博物館に来ました。これだけの巨大施設なのに相変わらず駅からのナビゲーションが悪くアプローチが貧相なのが残念、いつか改善されることを願っています。

展示室に入ってしまうと、いつもながらとても素晴らしい展示空間が広がっています。何度来ても面白いですね。コンペを忘れて展示に魅入られてしまいました。

実はこのあと「ボストン美術館浮世絵名品展」も見てしまいました。先日NHK特集でも紹介していましたが、どの浮世絵も素晴らしく保存状態がよくて発色が素晴らしいです。久しぶりに本物の浮世絵を見ましたが色といい構図といい独創的で少し興奮してしまいました。
11月30日までです。

ちなみにコンペ案は思案中です。

2012/10/10 ishikawa

駅CAFE OPEN!

CAFEOPENしました。

連休前にOPENできてホッとしてます。連休はイベントが多いから多くの利用者でにぎわうことでしょう。うちにも設計依頼がドッと増えるといいのですが・・・・。築的世界を次々と発表していくことになる。

2008/4/28 ishikawa

駅CAFE OPEN 二日前

あさってオープンします。自然派パスタ&カフェ、P.styleCafe千駄ヶ谷店です。千駄ヶ谷の改札並びにあります。今日、完了検査、消防検査をして引き渡しです。25日オープンです。

お店のメニューのコンセプトです。
・ニンニクや唐辛子などを極力使用せず、旬の食材の味を引き立てます。
・バターや生クリームを使用せずオリーブオイルや豆乳を使っています。
・デュラムセモリナ100%の生パスタを使っています。
旬の食材の味を大切にした、カラダに優しいパスタです。

駅CAFE  その3

前面の足場がはずれました。

見つけ幅35ミリのシャープなフロントサッシュを使っています。下の写真をみるとオープンはあくまで25日のようです・・・・自動ドアまわりのサッシュがまだ入っていませんが。

2012/4/16 ishikawa

駅CAFE その2

だいぶ進みました。現場の仮囲いにはクライアントが4月25日オープンというポスターを貼っておりました・・・・あと11日です。新宿御苑の桜も散り春のスポーツシーズン到来です。

スポーツシーズン??って感じですが、このCAFEの窓に外には東京体育館があります。ということはここからさらに国立競技場や神宮球場にもいけちゃいます。GWの客を逃がすまいと着々と工事は進んでいるわけです。

2008/4/14 ishikawa

駅CAFE その1

進行中の現場に行きました。鉄骨の建て方が終わったところです。鉄骨造の建物はスケルトンの時はとても軽快な感じがして、できればこの軽さをそのままいかしたいといつも思います。これから、屋根、壁、サッシュなど仕上げがされてくると次第に軽快な感じが薄れていきます。今見えている御苑の森もこの状態ではとてもいい感じなのですが・・・・・。

2008/3/25 ishikawa

団地萌え 

こんなDVDを借りてみた。

団地日和

団地萌えの人たちが作った作品である。
今や行革で無駄遣い団体の急先鋒として取り上げられることが多いUR都市機構の前進である住都公団の団地を中心に紹介している。戦後の住宅難に応えるべき使命を持っていた頃の住都公団の輝かしい仕事がここに納められている。公団の社歌もレアです。
団地というと我々の世代にとっては古くさい、殺風景、不良のたまり場・・・「家族ゲーム」といった団地批判が社会問題として噴出した時代に生きていたので、ネガティブなイメージがあります。しかしいまや高密度化した都心の風景からすると公園の中に住んでいるかのごとくゆったりとした住棟配置が生み出す豊かな自然環境が都市の貴重なオープンスペースになっているところも少なくありません。また画一的に見える住棟も時代によって様々な変遷があり、そういったタイポロジーも量が沢山あるだけに考古学的興味をそそるのかもしれません。
建築関係者ならこのDVDを見て改めて団地について知りたいと少し思ってみたりも・・・なくはないです。一般のひとにもきっと面白いのでは・・・。

2008/4/11 ishikawa

銀座に登場した POParchitecture〜ニコラス・G・ハイエックセンター

銀座の中央通りに登場した新名所、ニコラス・G・ハイエックセンターを見てきました、坂茂設計です。1階に各ショップのガラスのショウケースが点在しています。興味を持ったらそのショウケースに入ってボタンを押すとスーッと上がりだして上階にあるショップへ直行です。つまりショウケースがエレベーターになっているわけです。60年代後半にアーキグラムが描いていたPOPな建築のイメージが半世紀たって、そのままここに実現されています。中央通りから見ていると大きな吹き抜け空間を上下するショウケース達がとてもSFチックでPOPな感じです。アメリカ仕込みの坂茂氏ならではのアイディアで映画で言えばハリウッドのエンタメ系ともいえる見ていても使っていても楽しい建築です。

2007/9/4 ishikawa

ミッドタウンと新国立美術館

新国立美術館です。いまや共生党党首として高名な黒川紀章氏の設計です。友人達からなかなか良いと評判だったので早く見に行こうと思っていましたが、今日が初来館となりました。

天気が小雨と言うこともあり初めの印象はやや暗いというか・・・かなり暗いという印象です。あれだけのガラス建築なので晴れた日はまた違った表情になるのでしょうが。

エンジェルリングの下がフレンチレストランになっています。レストランには行列が出来ていました。見たところ厨房が見あたらないので、客席の下のようです、おそらく中央のリフトらしきもので上下をつないでいるのでは?余談ですが。

全体の印象は、広々していて気持ちよいです。ぐにゃっとしたガラス面のディテールもこのスケールだとさほど気になりません。福井県にある黒川氏設計の美術館でも同じような手法のガラス面があるのですが、スケールが小さいためサッシュのディテールばかり見えてきて落ち着かない感じでしたが。
外観も巨大な建造物にありがちな退屈な量塊にならず、ぐにゃっとした塊が不思議な奥行きを感じさせ、サッシュのディテールが遠景から近景へとスケールとつないでいてなかなか良い感じでした。
そして
新国立美術館を後にしてミッドタウンへ。建築行脚する人のおきまりコース?でまずデザインサイト21-21、安藤建築へ。
特に写真は撮りませんでした。通り側と変わって裏側は緑豊かで広々とした感じです。デザインサイトは安藤テイストと一目でわかるインテリアでした。一番感心したのはエレベータ。台形のかごにおそらくアルミの研磨仕上げ?天井は全面テフロン?の内照式の照明でボタンの音と扉が開閉時に効果音が仕込まれていて、とにかく格好良かった!(インテリア撮影禁止なので写真無しです)いままでヌーベルのル・モンド・アラブのエレベータが一番でしたがそれに匹敵します。

そしてミッドタウンのガレリアへ・・・ここは高級すぎて庶民にはあまり見るものがないので、エントランス近くのスタバへ。写真はスタバの前の広場です。カラトラバチックですが、なかなか迫力のある構造体です。

最後にちょっと気に入ったところを、内藤さんの「虎や」ものれんがヒラヒラしていて面白かったのですが、写真は地下のスーパーです。向かいの通路全面にレタスか何かのプリントがされてます。なんてことはないですが野菜に包まれているようでグッドでした。

帰り際に発見した向かいのビル。なにもミッドタウンに合わせた外観にしなくともって思っていたら、そうではないようです。

ル・コルビジェ展@森美術館

ル・コルビュジェ展を六本木ヒルズにある森美術館で見てきました。少し前なのですが、鹿島建設の友人のW君に誘っていただき同建設貸し切りの日でした。

ル・コルビュジェ展:建築とアート、その創造の軌跡

サブタイトルが「建築とアートその創造の軌跡」とある通り、絵画や彫刻の展示がかなりありました。聞くところではコルビジェの絵画や彫刻は森美術館の自慢の収蔵品とのこと。
今回の展覧会の最大の見応えは原寸のモデルであろう。コルビジェの絵画のアトリエ、ユニテのメゾネット住居ユニット、カップマルタンの休暇小屋が原寸で体験できる。モデルとはいえ、この3つの建築を訪問したことがなかったわたしにとっては大変有意義であった。原寸モデルになるとディテールまで表現されていてなかなか感じ入る箇所が多い、例えばユニテの住居内の階段の段板にスリットが設けてあったり、手摺りが左右で大人用と子供用の高さになっていたり、子供室の幅が1800ミリ程度でもなかなか面白い空間に仕上がっていること、カップマルタンでは8帖程度で生活に事足りることがわかったりと、図面ではわからない部分がモデルでは体で覚えられました。あらためて建築は実際に見ないといけませんなと思った次第です。

写真は展覧会のあと展望台からLX2で撮影した写真です。オートで撮影しましたが結構よく写ってます。

2007/6/22 ishikawa

藤森建築と路上観察

初台の東京オペラシティーアートギャラリーで開催されている藤森建築と路上観察を見てきました。

藤森流自然素材の使い方
藤森照信,大嶋信道,柴田真秀,内田祥士,入江雅昭

展示ははじめ、藤森建築で使われている仕上げのサンプルとその工具が紹介されている。藤森建築では仕上げは縄文建築団という藤森建築のために結成された素人メンバーで仕事をしているので、素人でも使える工具や仕上げなどが工夫されていて感じ入る。そのコンセプトはとにかくあらあらしく不均質に仕上げる素人流である。展示の始めにあるテキストには建築で一番大切なのは「仕上げ」という考えが述べられており、建築史家である氏の世の中の建築家に対する批評が含まれているように受けとれるテキストであった。したがって展示のはじまりも藤森建築の仕上げから構成がはじまっているのである。

そして靴を脱いで上がる第二展示室では藤森建築の現在、過去、未来が俯瞰できる内容となっている。ここで一番興味深かったのは東北大学の卒業設計の展示である。現在の藤森建築とは全く作風は異なるが、広瀬川の汚染に対する視線や橋のようなユニークな建築物、ルドゥーへの関心などが述べられているのだが・・・・少し一般の学生からは興味がズレていたのではないだろうか?そしてその建築も橋の上にかかる構造物なのである。そして現在の藤森建築も全く今の建築界とはズレている視点をもって問いかけているあるあたり発想の原点を見る思いであった。原点は「橋=端」からの視点といったところではないだろうか?
そして路上観察学の展示となるのだがこれも視点のズレをカメラによって切り取りお題を付けるという画像による川柳のような?ユーモアがあるのだが。今回藤森建築の竹と藁で作った特設ドーム内でのビデオ展示となっていて撮影者自らのナレーションが入っている編集となっていてタモリクラブをみているようであった。ドーム内には数人の外国人もいたのだが、これがバカ受けで大声で笑っていたのでインターナショナルに通用する学問として世界中にひろがるかも?しれない・・・思うのであった・・・。
オペラシティのアートギャラリーでは年に1回のペースで建築展が開催されているのだが建築家の展覧会ではこむずかしいテキストを読むのが辛いこともあるのが、今回の展示は全くそのようなテキストは存在せずひたすらわかりやすい内容と笑いで楽しい展覧会であった。

ザ・藤森照信総勢100名による徹底探究-歴史・設計・人間

2007/6/7 ishikawa

the nomadic museum

お台場で開催されているグレゴリー・コルベールの「ashes and snow」を見てきました。会場はニューヨーク、サンタモニカで開催され日本が3会場目となる移動式のミュージアム「the nomadic museum」です。設計は坂茂氏です。

「ノマディック美術館」は毎回現地で「レンタル」するシッピングコンテナ、「リユース」する屋根とコンテナの隙間を埋めるアルミフレームとテント、床用木製パネル、小屋組の紙管トラス、「リサイクル」する部材、長さ10M直径74cmの紙管柱という3種類のコンポーネントから成り立っている。

エントランスの紙管の柱と小屋組、柱はインテリアではダイナミックな柱廊となっている。(インテリアは撮影禁止)

基礎は現状復帰するためにゴムマットの上に鉄板を敷き、その上に鉄骨で作られていた。写真でわかるように鋼製の束の高さを調整することで水平を出している。

展覧会の内容は手漉き和紙にプリントされた写真と3パートある映像シアターで構成されていてかなり見応えがある、映像と写真の内容はリンクしているのだが驚いたことに映像から流用されてると思って見ていた写真は別々に撮影されたそうである。とても神秘的な写真と映像で水の表現とスローで再生される手法はタルコフスキーの映像を想起させる部分もありたいへん美しい。

さて会場の室内環境であるが、これは一時的なミュージアムとはいえやや難のある室内環境であった。まず海の近くということで風が強くテントのばたつく音がかなりうるさい。湿度調整をしていないのは仕方がないが暑いのはやや息苦しかった。致命的なのは室内の反響が大きいせいで展覧会の重要な要素である映像のナレーション、特に手紙の読み上げのディテールが聞き取れないことである・・・・これは人によってはクレームをつけるレベルではないだろうか?

7%

国土交通省が全国で10階建て以上のマンションを無作為に調査して耐震強度不足の恐れがあると発表した。

対象となる推計7000棟から無作為に386棟を調査しその15棟が強度不足の恐れがあると。7%という数字が7000棟にあてはまると、全国にこのようなマンションが490棟あることになる。さらに、ことの深刻さを煽ると、建築物はマンションだけではないので、オフィスビルなどの他の用途の建築物もある、さらにこの調査は2001年から2005年頃に確認申請を受けた物件なので、2000年より以前の建築物は対象外である。
こう考えると、日本中が耐震強度不足の建築だらけなのである。
今回の7%と新耐震前の建築物で耐震補強がなされていない建築物を合わせると、(これは個人的な推測であるが)建築物全体で15%くらいになるのではないだろうか。ハッキリ言って手の施しようがない数字である。地震が来たらロシアンルーレット並の確率で危険が及ぶのである。阪神大震災を見れば明らかである。
誰に責任があるのだろうか?
ちなみに、うちの設計では住宅でも専門の構造設計者と協力して設計している。現場では、こんなゴツイ構造はじめて見たってかなりの確率で言われる。でもそれが正しい構造体の姿であるとすれば、かなりの確率で住宅もヤバイことになる。関東ではもう大地震が80年もない状態で何が頼りかと言ったら大工や工務店の経験だろうか?構造設計が一番信頼度が高いのである・・・(確認申請の壁倍率の計算は構造計算とは言えない)。そして次にその設計を忠実に施工できる工務店の施工レベルということになる。

2006/12/28 ishikawa

集まって住む 3

大学の課題も無事終わりました。結論から言うと予想以上の出来で、教えている側からすると、手応えがあってやりがいを感じました。個人的なメモです。
集合住宅ということで、紋切り型の住戸プランや形になるのではと危惧していましたが、驚くほど自由な発想の作品が多く、これは正直いうと学生に対して自分がもっていた先入観が間違いでした。はじめにいろいろと事例や設計について教えたことが功を奏したのかもしれない。
一方、集まって住むということに対しては考えが浅かったように思います。多くの案が住戸とその共有スペースという二項対立の単純な図式から抜け出せなかったように思います。これははじめの「驚くほど自由な発想」という言葉と矛盾するようですが、自由な発想は建築のフォルムとしてであって、住戸とその共有スペースという単純な図式という面では単調でした。これについては教え方にも問題があったと思いますし、わずか6回のエスキスで考えるには限界があるようにも思います。もう少し建築を図式的な問題で捉える視点を養い、ボリュームと同時に検討できるように、次回は意識して取り組みたいと感じました。ブログで「集まって住む」とタイトルをつけるほどことでもなかったですが、来年もおそらく同じ課題で教えることがあると思うので今年個人的に参照した集合住宅の事例と文献を最後にメモしておきます。
・用賀Aフラット (音楽家の為の賃貸住宅) 設計:早川邦彦建築研究室
・白石市営鷹巣第二住宅 (シルバーハウジング)設計:設計組織ADH/渡辺真理+木下庸子
・森山邸 (単身者集合住宅) 設計:西沢立衛建築設計事務所
以上授業で学生に紹介した事例。
egota houseA (都市住居の一つの回答として)設計:坂本一成研究室
・船橋アパートメント(ユニットの分節がユニーク)設計:西沢立衛建築設計事務所
・真鶴共生舎 (シルバーハウジングの事例) 設計:吉良森子+濱下満
・上井草グルップボエンデ (シルバーハウジングの事例) 設計:阿部勉/アルテック
・久が原のゲストハウス(留学生の為のゲストハウス)設計:デザインヌープ
・洗足の連結住棟(都市住居の一つの回答として)設計:北山恒+architectureWORKSHOP
以上個人的に資料として収集した事例
参考文献
・集合住宅をユニットから考える 著者:渡辺真理+木下庸子
・ヒルサイドテラス/ウエストの世界
 (歩行者導線や空地の取り方などを示したダイアグラムをプレゼの参照にせよ、言ったのだがイマイチでした)

今回はこの程度です。

次週からは「街角のギャラリー」
保存建築を含んだちょっと難しい内容ですが、前半は好調であったので、少し楽しみです。

2006/10/27 ishikawa

集まって住む 1


ヒルサイドテラス/ウエストの世界
前回、「集合住宅をユニットから考える」を紹介しましたが、その中でも槇文彦氏への取材記事もありました。
今回はヒルサイドテラスについてまとめられた「ヒルサイドテラス/ウエストの世界」についてです。

日本で建築を学んだ人でヒルサイドテラスを知らない人はモグリであると断言できるほど、有名な建築であります。今教えている学生には、はじめの授業で紹介しようと考えていたのですが、なんせ限られた授業の中で教えなければならないので、課題に似た小さなスケールの事例を紹介し、ヒルサイドテラスには触れませんでした。それとヒルサイドテラスの歴史と建築について自分が教えるのもおこがましいので、今度、この本を紹介しようと思います。
 実はこの本を購入したのが後期の授業が始まる直前であった。書店などで立ち読み程度にめくって見てはいたが、雑誌などで特集されていたことを再度まとめた本と言うことくらいしか認識がありませんでした。しかし置かれた状況が変化すると見え方も変わるもので、再度、人に事例を教えなければならない立場で見るとこれが実に素晴らしい編集であることに気がつかされました。この本をきっかけに学生が集合住宅の事、建築の事、アーバンデザインの事を勉強するには最良の一冊といっても過言ではない・・と思います。目次を見るだけでも濃密な本であることがわかります。この本をきっかけに
「見えがくれする都市江戸から東京へ」
記憶の形象都市と建築との間で

と槇文彦氏の著作を読むときっと建築を考えることが楽しくなるのではないでしょうか。オススメです。学生にとっては大変よい勉強になると思います。
目次
ヒルサイドテラス+ウエスト2005
序文ヒルサイドテラス+ウエストの世界 槇文彦
ヒルサイドテラス+ウエスト1969‐1998
都市の中のヒルサイドテラス+ウエスト
・代官山周辺の歴史と変遷 槇文彦
・ヒルサイドテラスと代官山の街 元倉真琴
・ヒルサイドテラスをめぐる文化・社会活動と都市性前田礼
・スロー・アーキテクチャー 五十嵐進
・街が生き続ける仕組み 植田実
・伝統が息づく都市開発 ロナルド・E・ラボイエ
ヒルサイドテラス+ウエストの建築・空間・都市性
・パブリック領域と住居ユニットの構成 解説:槇文彦
・街並みとしてのヒルサイドテラス+ウエストの解読 門内輝行+槇文彦
ヒルサイドテラス+ウエスト図面集

建物高さ、パブリックスペース、空間の襞、回遊性のある経路、を図解したページ

2006/9/26 ishikawa

集まって住む 1

 大学の設計課題で集合住宅を学生に教えている。自身は実務では幕張ベイタウンを2ブロック設計を担当した経験と、大規模な戸建て集合住宅地の計画に携わった経験がある。その時々でそれなりに集合住宅について様々な文献を読み見ながら実務をしてきたつもりであるが、最後の設計をしてから早くも5年ほど経過していることもあり、あらためて勉強し直してみようと思い少し文献と実例探しをした。そのなかでいくつか面白かった本など紹介してみようと思う。

集合住宅をユニットから考える—Japanese Housing Since 1950
渡辺真理, 木下庸子
 新建築の特集をまとめた本で前から気になっていたのがこの本である。ユニットとはnLDKなどのインテリアのことで、言い換えればインテリアから集合住宅を考える本である。本書はそうした視点から1950年つまり昭和の戦後復興時から現在までをおいかけている。
この本の面白いところは住戸プランに焦点をあてて設計者や住人になどの生活の様子をレポートしているところであろう、特にミースのレイク・ショア・ドライブでは複数の住人を取材し、そこでの生活ぶりの変化をユニットの変化を年代ごとに図面化されたもので追いかけることができ、大変興味深く読むことが出来た。また巻頭の北山恒氏との対談では最近の小さな集合住宅の実例から将来の建築家の果たしうる役割などが語られており「明るい未来」として楽しみな内容であった。
 下の目次にあるようにかなり総花的内容であるが、これから集合住宅を考える人には最良の入門書ではないだろうか。
 目次
座談会1 北山恒×渡辺真理×木下庸子多様化する集合住宅をめぐってアフタースプロール時代の都市の住まい
今なぜ住戸平面を見直すのか?そして50年代のパイオニアの作品が今なぜ新鮮に見えるのか?
30
年前に予見され実現された都心型居住と郊外型居住のかたち「ヒルサイドテラス第1期」と「桜台コートビレジ」
公団住宅の標準設計プランから学ぶもの
接地型あるいは低層集合住宅の今日的意味「茨城県営水戸六番池団地」と「中島ガーデン」
「レイクショア・ドライブ・アパートメント」もすでに半世紀前の事件なのである
エスアイって何?
ポスト・コミュニティ時代の集合住宅のあり方を「ハイタウン北方北ブロック」で考える
集合住宅の80年代
集合住宅の90年代
賃貸と分譲の間ポスト「住宅双六」時代
「住まいを開く」ための方法論山本理顕的想像力
オルターナティブ・ハウジングの展望「環境」、「家族」そして「参加」
座談会2 西沢立衛×渡辺真理×木下庸子脱・集合住宅の時代住まうための環境づくりへ

「C51」家族を容れるハコの戦後と現在


51C」家族を容れるハコの戦後と現在
鈴木成文, 上野千鶴子, 山本理顕, 布野修司, 五十嵐太郎, 山本喜美恵
以前から気になっていた本で最近読み終えました。
目次
151C」の成立とその後の展開
2性の絆からケアの絆へ
3「現在」の集合住宅
4シンポジウム「51C」は呪縛か
5シンポジウムを終えて
651C:その実像と虚像戦後日本の住宅と「建築家」

「51C」とは1951年度公営住宅標準設計のひとつの型の名称である。戦後の集合住宅史を考える時その原点として一般的には考えられている。

われわれ30代後半の世代にとっては集合住宅は既にnLDKで語れるマンションとして存在しており、建築を勉強し社会に出たときもnLDKという間取りのイメージは強固に存在していた。一方で建築雑誌などに載る建築家の集合住宅では「nLDK」からの脱却というような説明がしばしば登場し、なんとなく「nLDK」は建築家の攻撃対象として存在しているのだなと学部の学生の頃は認識していた程度であった。おそらく集合住宅を研究していた学生以外はわたしと変わらない印象ではなかったかと思う。

大学院の頃、藤森教授の「昭和住宅物語」を読んだときに初めて51Cという言葉を知った。その後社会に出て幕張ベイタウンや公団の集合住宅の計画などをするにつれて、次第に集合住宅について考える機会が多くなり、自らも日本の集合住宅について様々な疑問や限界点を考えるようになった。

この本では51Cをデザインした鈴木成文氏の言葉でその成立やその後の展開について語られていて興味深く読んだ。また山本理顕氏や社会学者の上野千鶴子氏などの視点から51Cが戦後の住宅に与えた影響が語られている点など興味深い。・・と抽象的なことばかりなのでなんなので、個人的に一番印象に残った自らの新発見は

「鉄の扉」で閉じられていることが地方から出てきた近代家族、核家族にとって都合のよい住居であったということである。

つまり団地は他人と交わりたくない人達の集合した場所であるいう事実に対して自分はこの本を読むまで無認識であった。
「集まって住む」ことに対していままで計画側として和気あいあい的な場所づくりの幻想を抱いていいたように感じ少し恥ずかしかった、他人が「集まって住む」ことはストレスなのである。そいう見方をすれば南面の平行配置、片側廊下は合理的であり「鉄の扉」の中でストレスを最小限として生活することができる、そしておのず集合住宅は住戸の内部への関心になりnLDKという共有されたイメージが流通することになるのである。(そんなに単純な話ではないが)
とりあえずそうした視点を得ただけでも山本理顕氏の東雲の集合住宅など最近の事例が異なって見えてきた。それだけでもこの本を読んだ甲斐があったように思う。いずれまた集合住宅計画することがあればいままでよりマシな考えをできるようにしたいもである。

実は続けて「私たちが住みたい都市」という山本理顕氏がコーディネートしたシンポジウムをまとめた本も読んでいるのだが、こちらでも似た文脈でつながる部分が多く面白い、もう少し読了するのでいずれまた紹介したいと思う。

徹底討論 私たちが住みたい都市 身体・プライバシー・住宅・国家 工学院大学連続シンポジウム全記録
山本 理顕

「今日はあなた 明日は私」


アスプルンドの建築 1885‐1940
川島洋一, 吉村行雄
アスプルンドの展覧会を松下電工汐留ミュージアムで見てきました。
展覧会HP

展覧会はWoodland Cemetery 森の斎場をメインにアスプルンドの生涯に渡る作品が展示されていた。
アスプルンド(1985-1940)の森の斎場は個人的にまだ見たことがない建築で見たいと思っている建築の最上位のもので、今回の展覧会はかなり楽しみであった。
この斎場の魅力はなんといっても自然と建築が一体となったランドスケープであろう。アプローチから十字架が見える風景はあまりにも有名であり、それがこの場所を一瞬にして人の「生と死」を物語っている場所であると感じさせる見事なランドスケープである。
アスプルンドの時代はロマン派からモダニズムへの移行時期にありモダニズムとロマン派の折衷というと単純すぎるが、アーリーモダンの建築にはそうした暖かさがあるように思う。特にアスプルンドをはじめとした、北欧のモダニスト達は森の国に相応しくモダニズムの建築に木を多用したことで、アメリカなどでは鉄とガラスのドライなモダニズムへと発展したのに対し、最後まで暖かな雰囲気のモダニズム建築を生みだし続けていた。ちょっと横道にずれたが、個人的にアーリーモダンの建築家には北欧の建築家にかぎらずペレやベーレンスなども好みの建築家である。

「今日はあなた 明日は私」

アスプルンドは森の火斎場を完成させた後、心臓発作でこの世を去り森の斎場に眠っている。この斎場には「再生」のイメージも重ねあわされている。

アスプルンドHP

2006/3/26 ishikawa

MY ARCHITECT

映画「マイアーキテクト」を見てきました。
伝説の建築家を父にもつ息子(といっても愛人の子で11歳で死に別れた)が父の死後25年を経て父親探しの旅をドキュメントとしてつづった映画なのですが、映画にするにふわさしく父、ルイス・カーンは人々の記憶の中に伝説を作品とともに残していたのである。この映画についてとても好感を持ったのは、父を賛美する人、否定する人、愛人、タクシー運転手、死の第一発見者など実に様々な立場からカーンの実像を照らし出していていること、もう一つは、ソークでローラースケートをする場面や、ダッカの広場で父を賛美する市民と握手を交わすときの誇らしげな顔をする場面などに感じる父への愛情がうまく表現されていることである。
さて
振り返って同じ建築家という職業で自分を顧みると、やはりカーンは偉大であると言わざるを得ない。特にダッカの議事堂など23年間コンクリートを手で運んで建設したというのだから・・・そしてカーンがこんなに素晴らしい建築をこの地に残してくれたと感謝されるのだから。戦争中も古代遺跡と思われ空爆されなかったというのだから。

映画なのでフィクションかもしれない。しかし建築家とはそういう可能性を秘めた職業であるということを示してくれたルイス・カーンと、それを映画で一般に示してくれたナサニエル・カーンに感謝せねばなるまい。あらためて建築家として原点を見つめ直させてくれる映画でもあった。

2006/3/2 ishikawa

新着情報

井戸掘り体験会W.S

2015年6月6日土曜日にdpaアトリエの前庭にて井戸掘り体験work shopを開催します。dpaではかねてより「水」をコンセプトとして建築づくりを研究しています。井戸掘りは地下水利用による建築を設計するためのデータ収集用に設置することにしました。
ご興味ある方は6月6日に井戸のある住宅の展示も予定しいますのでご覧いただき、ご指導、ご意見いただければ幸いでございます。
当日、直接来ていただいてもかまいませんし、作業をしたい方はフォームにてご連絡下さいませ!
6月6日の予定
9時より準備作業、掘削開始
12時〜13時昼食
13時〜16時掘削作業
協力:シップスレインワールド株式会社

未来をのぞく住宅展

下記イベントに参加します!
ご来場をお待ちしています。
ASJ東京中央スタジオ
武蔵野市民文化会館 展示室
3/20(土)12:00〜18:00
3/21(日)11:00〜18:00
入場無料(終了しました)

リニューアル中

昨年12月末よりホームページをリニューアル中につき2月中はコンテンツの追加や内容の改訂などが多数ございますがご了承下さい。

リノベーション×建築家

ASJ武蔵野スタジオ
小金井市民交流センター B1・市民ギャラリー
東京都小金井市本町6-14-45
1/31 (土) 11:00~18:00 
2/1 (日) 11:00~18:00 入場無料 (終了しました)

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