2010年04月22日
AVATAR
恥ずかしながら、昨日新宿ピカデリーのレイトショーで観てきました。今日までということで、慌てて駆け込んだというわけです。
この映画の見所はなんと言っても3Dであるわけで、DVDで早くも観られるようですが家のテレビでは3Dになりようがないのです。
で感想ですが、ネガティブなことからになりますが、まず今も眼の疲労があります。その原因は字幕にあります。3Dなので字幕が隠れないように最前に表示されるのですが、とにかくこの字幕を読むのに眼の焦点を最前に合わせる作業が大変なストレスでした。したがって3Dものは吹き替えバージョンがオススメですね。大失敗でした。
本題の3Dですが、これは眼を見張るほどの出来映えでした。これ想像以上でした。これを観られただけでも2000円の価値はあるでしょうね。もうず〜っと大昔ですが、ジョーズの3Dを観たことがありますが、散々な出来でしたが、技術は大幅に進歩したものです。肝心の映画の内容は・・・・アカデミー賞はやっぱりね、というのが正直な感想、途中であまりの茶番に少し萎えました。それとこの内容で3時間近い映画とはチト長いですね。
投稿者 ishikawa : 19:24 | コメント (0)
2010年02月22日
クリント・イーストウッド
洋書屋さんのYさんに借りて「グラン・トリノ」を鑑賞。
グラン・トリノとはフォードの1970年代の車の名称である。古き良きアメリカの象徴と言っても良い。そのピカピカのグラン・トリノ所有者はその製造にも携わったポーランド系のアメリカ人のイーストウッド扮するオールドアメリカン、朝鮮戦争出兵しフォードに長年勤めた経歴をもつ。映画は古き良きアメリカから新しいアメリカへと転換できない偏屈なオールドアメリカンが隣人のアジア人であるモン族の娘と青年との交流を軸にストーリーが展開しラストは日本びいきのイーストウッドらしい結末で終わる。大作を撮った後ということからか、ややライトな秀作といったところですね。イーストウッドはもう79歳である。あと何本の作品を残してくれるのだろうか。
投稿者 ishikawa : 18:17 | コメント (0)
2009年10月07日
オールボーイ 再 タルコフスキーなど
オールドボーイ 再ですね。R15の映画です。 たまに見たくなります。
はじめて見たときの衝撃はいまでも忘れられません。何度みたか忘れましたが、いつ見ても痛くて見られない場面があります。パク・チャヌク監督は映画批評もやっていたインテリ監督らしさがこの映画に一番よくあらわれていると見る度に思います。好きな場面は主人公が記憶をたどって昔の高校で自分を追いかけるシーン。これはベルイマンの「野いちご」を参照している・・・といういにはあまりにも有名ですが、つまり過去を回想するシーンを過去の自分がいる場面に身を置いて自分を追いかけながら記憶をたどるカット。この映画では少しセピアがかった色で演出しスリリングな場面として撮られていて、この映画の最大の謎解きをスリリングと同時にダイナミックに観客に教えてくれます。そしてもう一つニュージーランドで撮影されたという雪山のラストシーン。これはきっと復讐三部作最後の「親切なクムジャさん」につながっていくことを暗示していたのだと、今回気づきました。「親切なクムジャさん」のラストも全てを浄化するように雪の降るシーンで締めくくっていました。余談ですがタルコフスキー監督の「アンドレイ・ルブリョフ」でも人を殺めた主人公の修道士アンドレイの罪を浄化するように廃墟と化した教会の中に降るはずない雪が降るシーンがあります。このシーンは今まで映画で見た雪のシーンで最も印象的な場面で忘れることができません。はじめて見たとき教会の内に雪が降るなんてなんという創造力なんだろうとタルコフスキー監督に驚嘆しました。
・・・映画っていいですね。
投稿者 ishikawa : 01:53 | コメント (0)
2009年09月26日
アキレスと亀
映画続きですが。
「アキレスと亀」のパラドクス・・・これは映画の冒頭でアニメで説明があります。
芸術だけでなく表現者全てに通ずるパラドクスですね。
キャスト
ビートたけし/樋口可南子/柳 憂怜/麻生久美子
中尾 彬/伊武雅刀/大杉 漣/筒井真理子/吉岡澪皇(子役)/円城寺あや/徳永えり/大森南朋
デザインの場合は芸術と言わないのかもしれませんが、やはり真似をすることではいつまでたってもトップにならない。「守」「破」「離」という言葉も最近しったのですが、これは世阿弥の言葉で「守」は基本の型を学ぶこと「破」とはその基本の応用「離」とはオリジナルに達すること。だいたいこんな意味だとおもうのですが。アキレスと亀とは「守」の段階を繰り返すことでしょうか。つまり真似しているうちはいつまでたってもトップランナーに追いつきそうで追いつかない半減期のグラフのようなものです。誰しもわかっているでしょうけどね。
映画はヒットしたんでしょうか?個人的には面白かったです。特に樋口可南子、良かったですねー。映像も時折ハッとするような美しいカットが映画の滑稽さを引き立たたせていて、北野監督ワールドを感じさせます。
ふりかえって建築設計もこの映画のような主人公って結構いるんじゃないでしょうか?ただ建築の場合全てが純粋芸術のような芸術ではないので職業として絵描きよりは成り立つわけですが。しかし芸術と機能的な建築とそのあたりをいったりきたり悩んでいる人は結構いるはずです。そういう人には痛い映画ですね。
でも建築には音楽で言えばポップス的な考えのほうが適するかなと最近思ったりしていて、井上陽水が「TOKYO」をビートルズの「TILL THERE WAS YOU」のような曲を作ろうと思ってとタモリとの対談でギターを弾きながら語っていたのをYouTubeで見たりすると、あれはあれでありかなぁと楽天的にね、ようは皆が喜べばそれでよいのさ!
投稿者 ishikawa : 16:36 | コメント (0)
2009年09月24日
ぐるりのこと
いい映画でした。
キャスト:木村多江、リリー・フランキー、倍賞美津子、寺島 進、安藤玉恵、八嶋智人、寺田農、柄本明 他
普通にありそうな夫婦の10年の物語。
感慨深かったですね。
じつは自分自身も結婚して10年が経過していることに気がつきました。映画は妻の流産から精神を病んでいき、夫婦の危機をむかえながらも再生していく物語なんですが、状況こそ違いますが10年の歳月の間に自分達もいろいろなことがあったなぁと思いに耽ったりしました。映画の中でリリーフランキー演じる夫が子供の時の体験で父が自殺をしたときの話をしその真相は誰にもわからない出来事であったことに触れて「本当の事は本人にしかわからない」という台詞があるのだけれど、10年経って夫の考え方の根底にあるものを妻がはじめて知る場面なのだけれど。夫婦って互いにわかっているようで実は10年経ってもよく知らない部分があるんだなぁと痛感させられました。
感慨深かったですね。
そのほかにもいい場面が沢山ある味和深い作品でしたよ。キャストもグッドでした。
夫婦の危機にあるひと幸せな人もこれから結婚するひとも・・・是非。
投稿者 ishikawa : 21:30 | コメント (0)
2009年08月07日
「28歳の革命」&「39歳別れの手紙」
チェゲバラ
「28歳の革命」&「39歳別れの手紙」
公開されて暫くたちますがやっと観ました。
「28歳の革命」
キューバ革命でゲバラがカストロと出会いキューバ革命を成功させるところまで。
「39歳別れの手紙」
こちらはボリビアでの革命の失敗の物語でゲバラの死がが描かれている。
労働者のデモを武力によって押さえつける政権の状況は武力を持って対抗する状況にある。映画の中でゲバラは言う。しかしそんな過激な発言とは裏腹にゲバラの人への優しい眼差しと高潔な正義心こそが、同志たちを引きつけ彼を英雄にしたのだろう。
この映画を観る前に彼の若かりし日の南米大陸横断の旅を描いた「モーターサイクルダイアリーズ」を是非観て欲しい。
投稿者 ishikawa : 12:36 | コメント (0)
2009年07月27日
ヒトラーの建築家
建築史ではアルベルト・シュペーアはファシズム建築として位置づけられていて日本ではそれ以上の詳細はあまり紹介されることはない・・・と思う。そのシュペーアについてのドキュメンタリーである。ドイツでTVドラマとして制作された4部シリーズのDVDをやっと見終えた。終戦60周年を記念しているらしいので約4年ほど前のドラマである。
DVDの概要は以下の通り、ドイツのTV局が力を入れて制作しただけあって見応えがありました。
第一部:戦争の記憶
シュペーアがヒトラーの片腕として権力の中枢で力を振るった絶頂期から、戦争を経てニュルンベルグ裁判の被告へと墜ちていくまでの姿を彼の子供たちの記憶を中心に展開される。
第二部:ニュルンベルグ裁判
ニュルンベルグ戦犯裁判のドラマである。実録のフィルムアーカイブを交えながら、シュペーアが戦犯としての責任を認めたこと、そして権力者から距離を置こうとした彼の主張が、純粋な改心だったのか、それとも生き残りをかけた冷静な計算の上だったのかに迫る。
第三部:牢獄のシュペーア
シュペールが20年の刑期を過ごすことになったスパンダウ刑務所での晩年のドラマである。彼はここでベストセラーとなる書物を書き、虚実をない交ぜにして歴史を作り変えようとした。ドラマは最後に、長い間独裁者に翻弄されたドイツ国民が、平和を希求する民主国家として新しい時代へと歩みだしていくことを予感させている。
シュペーアの息子や娘たちがドキュメントに登場してインタビューを受けていた点が面白い。(息子の1人は高名な都市計画家でもある。)その息子たちを出演させながらシュペーアのアウシュビッツに対する責任について歴史家が鋭く切り込んでいる点がみどころのひとつでしょうね。
自明のことですが戦争責任について態度がドイツと違うのはやはり対象が天皇とヒトラーの差でしょうねあらためて認識しました。
シュペーアの建築の馬鹿げたスケールを知るのにも面白いし、なによりそのベルリン計画の軸線を設定するために大量のユダヤ人が住宅を強制接収され、その結末がアウシュビッツであったことは興味深い史実であります。
投稿者 ishikawa : 13:30 | コメント (0)
2009年03月30日
バオバブの記憶

「バオバブの記憶」という映画を観ました。
映画の舞台はセネガル、アフリカには行ったことがないので、未知の国だが日本から観たら地球の辺境の地、セネガルにも環境破壊、つまり近代化の波が押し寄せているようで、道路、住宅地開発といったことがすすめられていて、かつて草原にあったバオバブが切り倒されて、整地されたり、草原がゴミで覆い尽くされた場所となったりと環境破壊の浪は地球の辺境と思っていた所まで押し寄せているようである。映画ではセネガルの首都ダカールから車で2時間ほどの村で撮影されていて、12歳の少年の生活を追いかけながら、まだバオバブのと共生する村人達の生活を記録している。
バオバブの木とは時に食料となり、道具の材料となりなる生活に欠かせない木とあると同時に日本で言う御神木として崇められている、村人達はイスラム教徒であると同時にアニミズム、自然信仰をも持っているのである。映画の中で盲目の祈祷師が病人に対してバオバブの言葉を借りて病気の治療をする場面や、収穫をバオバブに感謝する場面などが記録されている。そうした古くからの習慣を映し出す場面だけではなく、子供達がおしゃれをして学校に行くシーンや市場で働く父親やテレビでセネガル相撲の試合を観る場面など映画では近代的な生活の足音がこの村の直ぐ近くに来ていることをカメラは写しだしている。

それにしてもバオバブの大樹は神々しいです。ポレポレ東中野では1階のカフェで写真展も開催されています。
ちなみにバオバブの木とは個人的にはマダガスタルの固有種と勘違いしていたのでアフリカに多く分布していることに少し驚いた、ただやはりマダガスタルのバオバブはアフリカ本土のものとは少し形が違い、固有の進化をしているのだろうとは思うのだが。
投稿者 ishikawa : 11:34 | コメント (0)
2008年12月24日
No Country for oldmen
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ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
DVDで鑑賞。
ハッピーな映画ではないのでクリスマス・イヴには見ないように。
暴力それも理由なき暴力、相手の都合も人情もなにもかも通用しない理不尽な暴力に対する無力感に覆われた映画です。日本でも秋葉原の通り魔事件がありましたが、ニュースを聞くだけで無力感がただよう暴力事件の根はいったいどこにあるのか?そうした不安な世界を象徴しています。ハリウッド映画といえばダイハードの主人公のようにタフな正義の味方が物語をハッピーエンドへと導いてくれますが、この映画はそれは180度反転しています。
監督のコーエン兄弟は、そんな理不尽な暴力に覆われた世界、その原因であるアメリカという国家を描いています。アメリカを殺人鬼に例え、大金をもって逃げるモスはもしかしたらイラクなんでしょう、将来それはEUやロシアかもしれません・・・・日本はこの映画いえば最後に殺人鬼の怪我の手当の手助けをして小銭を貰って喜ぶ少年二人なんでしょうね。
No Country for oldmen
映画を見終えるとoldmenとは古き良きアメリカのことで、世界にそのような古い秩序が通用しなくなってしまったことを「No Country for oldmen」は 象徴しています。
メモでした。
投稿者 ishikawa : 06:32 | コメント (0)
2008年11月28日
カフカの「城」
東京タワーの次にこれですか?
これは確実に眠れる映画です。ウィークデイはどうしても夜にDVDをみるので、自分も実際に3晩にかけてやっとこの映画を見終えました。映画を見終える途中で昼間ネットで少しカフカの城について調べたりしながらという有様でやっと見終えたわけですが・・・・。感想を言うには少し知識が足りないですね。
つたない感想だけ
見終えた時、思い出したのはタルコフスキーの「ソラリス」や「ストーカー」であった、なにか実態の見えないものに支配される閉塞感とその実態なきものへと探求を続ける人間の姿。「わかった」と理解することがあってもそれが新たな疑問へとつながっているだけで答えなど永遠にないことにあるとき気づきます。カフカの「城」では測量技師Kが実は自分は一体誰なのか?という問いを続けていることに気づかされます。そして未完である原作のように答えはどこにもなく、ただただ人はその答えを探求すること、それが人間の「生」の姿であり、運命なのだと、「ソラリス」や「ストーカー」でも探求の果てに見つかるものは何もなく、外側に向いていた力が内面の問題へと反転していきます・・・・カフカの生きた時代も世界大戦があり世界が閉塞していましたし、タルコフスキーもソビエトという閉塞した社会で映画を作っていました。こうした社会のトーンがこれらの映画に独特の暗さと閉塞感をあらわしている。
この作品は1997年というわずか10年ほど前の作品である。ハネケ監督の映画はいつも観客に結論をゆだねて様々な解釈を観る者に要求する。そういう意味でカフカの「城」自体ハネケ監督の作風そのものといえる文学作品である。ネットの解説には忠実に原作を再現していると書かれていたが、元々テキストであるのでやはり監督の解釈なしでは映像化できるものではない。ラストカットも通常の映画ではあり得ない終わり方で、衝撃的である・・・・がこれも原作に忠実であるらしい(未読なので)。ハネケ監督独特の解釈、その狙いのひとつは、テキストと映像のズレを観る者に体現させることだったのでは・・・でなければ誰もラストカットに衝撃を受けないだろう、小説と映画という媒体の違いを感じることで忠実に小説を再現していた・・・と信じていた映画全体をも、再解釈へと誘うという、ハネケ監督一流の皮肉なのだろう。
投稿者 ishikawa : 07:16 | コメント (0)
2008年11月26日
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
![東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2枚組) [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51QBYbChC5L._SL160_.jpg)
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2枚組) [DVD]
「隠された記憶」の後にこれですか?という映画ですが、こういう映画も人生を楽しむためには必要です。
原作者のリリーフランキー氏は自分より5歳年長である。自分は地方出身者ではないが、都会育ちでもないので、やや原作者の体験とはズレている部分もあるが、時代感覚はとてもよくわかる内容で自分の学生時代に重ね合わせ追体験するように、この映画を観ることができた・・・・つまり東京で自堕落な生活を謳歌したあげく・・気がついたら取り残されていたというあたり・・・これはもう地方出身者の典型で、ここから立ち直るか故郷に帰っていくかというあたりが人生の岐路なんですよね。
で
この映画の主人公は見事に立ち直って行くわけですが、散々苦労をかけたオカンを呼び寄せて東京での幸福な暮らしは長くは続かない・・・・そして悲しい結末へと続いていく・・というありきたりの物語です。ありきたりな物語なんですが何の飾りもなく原作者の自伝であるあたりがかえってリアリティを持って観る者を引きつけるのでしょうね。
派手さも抑揚も抑え気味でシンプルで淡々と物語が進んでいくあたりが秀逸でした。
遅ればせながらいい映画でした。
投稿者 ishikawa : 10:00 | コメント (0)
2008年11月25日
隠された記憶

隠された記憶
ミヒャエル・ハネケ
お世話になっている洋書屋Y氏のお薦め
実はミヒャエル・ハネケ監督作品をはじめて観ました。
誰にでも過去に隠して掘り起こされたくない記憶のひとつやふたつはあることと思う。
そうした記憶をある日突然に誰だかわからない人物にビデオテープで隠し撮りされながら、現在の幸せな生活の中に晒されてしまったら・・・・。
この映画はこうした設定をミステリー仕立てで映画にしている。この映画には映画音楽が全く使われていないのだが、独特な映画のリズムと日常音の世界はアントニオー二の映画を彷彿とさせる、凝視しないとよくわからないような視線と長回しは「さすらいの二人」の有名なラストの長回しを思い出した。
この映画で重要なのはビデオテープの犯人は誰であるかではなく、個人の問題のように思われていた隠された記憶が、実は、家族、地域社会、国家まで含めそれぞれの政治的な作用に起因しているところまで監督がつなげていくところだろう。
ラストカットに過去の隠された記憶に対して子供達が裁判を下したかも知れない場面があるのだがハッキリとはわからない表現になっている、政治的な作用が個人に及ぼす影響も実は曖昧でそれは個人にも本当はわからないのではないだろうか。客観的事実などは実は存在しない。観る者が誰が犯人かを想像することでこうした事実に気がつくことで見方によって事実が異なり、個人(家族、国家)が主観の外に出られないという不条理な矛盾の迷路に誘い込むことが監督の意図なのである・・・と思う。
少し疲れる映画です。体力のある時に観ることをお薦めします。
投稿者 ishikawa : 18:48 | コメント (0)
2008年10月22日
私の秘密の花
ペドロ・アルモドバル監督の映画です。
この作品の後、「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」「バッド・エデュケーション 」「ボルベール〈帰郷〉」と同監督の傑作の数々が撮られていきます。
アルモドバル監督の作品は性倒錯している人の物語が多いのですが、この物語の主人公はノーマルな人ではあります。
スペインていいなぁと、いくつかこの監督の作品を観て感じました。この映画もストーリー展開も巧みではありますが、それだけで他の映画監督に比較して凄いという感じではありません、しかし主人公が人生に生き詰まったと時に、それを優しく包むように、スペインの田舎村、カルメンなどのカットになります。アルモドバル監督の映画全体に通低しているのはスペインという風土なのです。この作品からそれが映画全体の色彩にも強く全面に押し出されて強調され、そして「ボルベール〈帰郷〉」へと終着していったのだと感じました。
「私の秘密の花」のあとアルモドバル監督作品の傑作の数々が撮られることになります、その予兆を充分に感じることの出来る秀作となっています。アルモドバル作品は観る者をスペインへといざないます。
投稿者 ishikawa : 14:22 | コメント (0)
2008年10月15日
浮雲
「浮雲」1955年公開の古い映画を見ました。
なぜこんな映画を見たかといえば、「映画監督のお気に入り&ベスト映画」というあまり新しくない本を持っていて、たまに思い出しページをめくります。その中で「浮雲」に高い評価をしている監督が数名いたのでという程度でレンタルしてみました・・・・実はこういうパターンで借りることしばしばなのですが。
映画は林芙美子原作で当時女性を撮らせたらナンバーワンと言われていた?成瀬巳喜男監督です。戦後の混乱期の男女の愛憎劇、しかも生まれる遙か前ということもあってなかなか感想を述べるのも辛いというのが正直なところです。簡単にいえば不倫をしている男女のドロドロの物語で時代も戦後の混乱期で背景も物語もドロドロで、最後は確か鹿児島から屋久島まで二人は流れていくのですがやっぱりほとんど雨ばっかりのドロドロの島でドロドロした物語が終わるという本当にドロドロした映画なのです。
古い映画だけあって東京の風景、千駄ヶ谷駅の駅舎や外苑?代々木上原、伊香保温泉など興味深かったですね、特に千駄ヶ谷はカフェをやったところなので、昔はあんなだったのかぁとか、こんなところで逢い引きしてんだぁとか思ったり、実はこういうのも古い映画の楽しみだったりします。
投稿者 ishikawa : 07:57 | コメント (0)
2008年10月11日
無能の人・・・「石を売る」

無能の人・日の戯れ (新潮文庫)
つげ 義春
先日、友人にすすめられて読みました。映画もみました、もちろんレンタルですが。
原作の漫画を読んだ上で映画を見た方がよいとアドバイスあったので、素直にその順番で鑑賞しました。
漫画を読んだあとは正直、滅入りました。まぁこの本をすすめられたきっかけも関係していますが、仕事が順調でない時、特に自営業の人、そしてモノをこだわりを持って作っている人はこの本を読むと滅入りますね。
建築家も無能の人のように石を売るのと同じような商売なんだとつくづく思いましたし、逆にそうはなりたくないと言う部分と複雑な心境に陥りました。
これは漫画を読んだあとの感想です。
そして映画はといえば・・・・正直漫画と物語は同じなのですが、俳優が漫画をパロディ化していて、さらにゴンチチの音楽が妙にホノボノしていて・・・漫画で感じたシリアスさを感じることはなく、コメディと化していました。はたして原作者はこの映画に満足しているのだろうか・・・・・?という感じでした。同じ物語でこうも印象がちがうものかと感じました。竹中直人のキャラクターなんでしょうね。興行としてはこのほうがいいでしょうね。公開もバブルまっただ中らしいですし。
余談ですが
漫画の後書きが吉本隆明が書いていたのには少し驚きました。
投稿者 ishikawa : 18:17 | コメント (0)
2008年09月04日
アルモドバル 4作

オール・アバウト・マイ・マザー
ボルベール以来アルモドバル作品を4作続けて見ました。
ボルベールは最新作であったので次第に時代をさかのぼる形でこの監督の作品を4作鑑賞。
共通しているのは普通じゃない人々の映画です。端的に言うと変態達の映画です。ゲイやホモに加えてフェティッシズムなど登場人物とその主題がかなり倒錯しています。グロリアの憂鬱ではストーリー展開もかなり倒錯していましたが、時代が新しくなるにつれて映像美とシナリオが洗練されるのがこの4作で感じられました。
ただグロリアの憂鬱も最後に救いがあるように、倒錯した物語も最後はなぜか暖かい視線に包まれるのこの監督独特の雰囲気を醸し出しています。
まだ未見の作品が沢山あるのですが、ツタヤディスカスで人気なのか在庫不足なのかわかりませんが借りることが出来ませんでした。
バッド・エデュケーション
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ペドロ・アルモドバル監督による、映画監督を主人公にした、彼の半自伝的な面も感じさせる物語。1980年のマドリードで、映画監督エンリケのもとに、少年時代に神学校で一緒だったイグナシオが現れる。当時の思い出を脚本にしたというイグナシオだが、その言動は怪しい…。現在の男2人の確執に、イグナシオの脚本を映像にした部分、さらに神学校時代が交錯し、切なさと衝撃の混じり合ったラストへ向かう野心作。
イグナシオ役、ガエル・ガルシア・ベルナルが、ときに謎めき、ときに妖しげな演技で観る者を惑わせ、艶めかしい女装姿も見せる。少年時代の愛の思い出に翻弄されるエンリケの視線には、アルモドバルの視線がダブり、要所でのエロティックな映像がドキドキものだ。少年同士の絆と、現在の男たちの関係に、鮮やかなコントラストを放たせ、神学校の教師も含めた禁断とも言える愛を、濃密な人間ドラマとミステリーに仕立てる手腕は、アルモドバル以外には不可能だろう。トリッキーな映像の効果もあって、何度でも観直したくなる。(斉藤博昭)

トーク・トゥ・ハー スタンダード・エディション
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設定は極端で過激。でも、なぜか共感を誘ってしまう登場人物たち。ペドロ・アルモドバル監督の持ち味が最大限に生かされ、第75回アカデミー賞で脚本賞を受賞した一作。
ともに愛する女性が昏睡状態になってしまったため、必死に看病を続けるふたりの男。しかし、ひとりは、元気だった頃の彼女をストーカーのように思い続けていたという屈折した過去がある。この映画がフォーカスするのは、献身的な愛を、相手の意思に関係なく一方的に与えることができる、その無情の喜びだ。アルモドバルは、サイレント映画や、ピナ・バウシュのダンス作品を巧みに織り込み、愛することにまっすぐにならざるを得ない人間の本能をえぐり出す。彼の作品に頻出するゲイ要素も、本作はわりと希薄。
一見、愛に深入りしないように見えるもうひとりの男も、ダンスや音楽に触発されて思わず涙を流す。そんな何気ない描写に、固定観念に対する監督の反抗心がチラリ。そして、絶望の後の希望に溢れたラストからは、またもや人生への惜しみない賛歌が受け取れ、感動せずにはいられない。(斉藤博昭)

オール・アバウト・マイ・マザー
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17歳の息子を交通事故で亡くした、シングルマザーのマヌエラ。彼女は「お母さんの小説を書くために、父のことを知りたい」と言っていた息子の願いをかなえるため、青春時代を過ごしたバルセロナに向かう…。
この映画のヒロインは、すべてを「許して」生きている。自分を捨てた男、その男の子を身ごもった女、高慢な女優などに対し、不愉快なことをされても、傷つけられても、許すのだ。どんな人間でも包みこむ、その大きな愛は、母の子どもへの愛情そのものだ。
スペインの巨匠、ペドロ・アルモドヴァル監督は、ヒロインを通して女性の母性を描いた。彼の女性への尊敬のまなざしが全編に満ちている、まさに女性賛歌の映画といえよう。アカデミー外国映画賞受賞作品。(斎藤 香)

グロリアの憂鬱
内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)
鬼才、P・アルモドバル監督が手掛けた名作ドラマ。家事に追われる主婦・グロリアは、夫との冷めた関係や荒れる息子たちとの生活に鬱屈としたものを感じていた。彼女は行きずりのセックス、ドラッグ、果ては殺人までも経験し、日常生活から外れていく。
投稿者 ishikawa : 08:46 | コメント (0)
2008年06月12日
ボルベール<帰郷>

ボルベール<帰郷> コレクターズ・エディション
監督: ペドロ・アルモドバル
感動しました。
スバラシイ物語でした。映像もスペインらしくビビッドで芸術的でした。
実はこの監督の映画ははじめてみましたが、人間描写と脚本がとても好みでした。物語は主人公とその娘、姉、そして死んだはず母、隣人と全て女性の視点で描かれています。それぞれは故郷でのある事件に因縁と互いにひとりでは調停できない重荷を背負って生きています。物語はそうした不条理な重荷をそれぞれに抱えながらも、死んだはずの母の登場によって帰郷したラマンチャの街で心の疵を調停していくという物語です。事件やその設定はかなり過激で絶望的なのですが、そうした不条理を調停できるのは故郷である母の愛なのでしょうね。とても深い物語でした、映像も美しくかなりススメの映画です。
投稿者 ishikawa : 16:51 | コメント (0)
2008年05月22日
萌の朱雀

萌の朱雀
「もえのすざく」
河瀬直美監督
97年カンヌでカメラドール(新人監督賞)受賞の映画です。
奈良の西吉野というとても山深い場所で撮影された映画です。
山村の原風景とも言える舞台設定のなか、物語は淡々と何の抑揚もなくドキュメンタリーをみているように進んでいきます。次第、次第に山村の抱える問題やその家族に及ぶ影響、そして不自然な家族構成のわけや父の死によって崩れていく家族関係などほとんど説明的な表現は存在せずカメラが写した真実をそのままつなぎ合わせたような映画です。
映画の複雑な家族構成は監督自身体験によるそうですが、すこし複雑すぎて最後までよく関係がわからないまま???な台詞に聞こえてしまうあたりが映画としてどうなんだろう微妙でした、告白的にならないようわかりにくいままにしたのか不明でした。素人くさいと言われる映像表現ですが、わたしみたい業界人でない人間にはカメラワークがこの映画の質を高めていると感じました。居間から水平に山の稜線が見える高さ設定、台所にゆっくりよってまた引いていく場面、最後の場面(これはパッセンジャー的?)などなかなか印象的でした。
わたしは好きな映画です・・・万人には薦めませんが。
投稿者 ishikawa : 12:28 | コメント (0)
コーカサスの虜

コーカサスの虜
トルストイの「戦争と平和」をチェチェン紛争に設定を変え、叙情性あふれる描写で描いている。
監督のセルゲイ・ボドロフは浅野忠信が主演している「モンゴル」がアカデミー賞の外国映画部門にノミネートされたのは記憶に新しい。
チェチェンの村に捕らえられた二人のロシア兵捕虜を巡る物語で、戦争による個人間と民族間の心情の矛盾を描き出している。戦争による絶望感とはこういう事なんだろうなと感慨深い物語である。
ここから先は政治的であるのでオススメしません。
「俳優の顔をみればわかるが、チェチェンの村人とロシア人は全く別の民族である。チェチェンの人々は黒髪に太い眉と彫りの深い黒い瞳をもっている。世界の民族問題は深まるばかりであるが、この映画でもチェチェンの文化を丁寧に描いている。捕虜とロシア兵捕虜の交流も実は互いの違い(文化)を認め合う事から生じる。チベット問題も中国共産党の宗教に対する原理主義的な考えに起因するのだろうが、であるならば同一の国として強引に統治することが無理な政治理念を掲げていること自体に矛盾を抱えているわけで、これを国連に加入している国が解決することなど世界中が監視可能になった現代に最早できないのではないだろうか?ロシアやアメリカはこの問題をテロリズムと問題をすり替え自国の利益の為に軍を侵攻させている。アメリカの共産党への批判など中国主脳はなんとも感じていないし、我々も旧西側よりの報道だけを聞いているにすぎない。」
投稿者 ishikawa : 10:15 | コメント (0)
2008年03月04日
映画2タイトル
映画2第
「Field of Dreams」「DEV GODA VILJAN」
「Field of Dreams」

フィールド・オブ・ドリームス
自分のトウモロコシ畑に突然野球場を作る主人公の話です。けっして野球の映画ではありません。人生が40代くらいになると誰しも、今のままで人生終わってもいいのか?とふと考えることがありませんか?そんな主人公の話です。映画のラストで若かりし父親の亡霊と主人公がキャッチボールをする場面があります。父と子の諍いはある意味子が親の年齢になり死に別れてはじめて調停されるものかもしれないと思い、感慨深いシーンでした。
「DEV GODA VILJAN」

愛の風景
イングマル・ベルイマンが両親をモデルとした自伝的脚本を、この映画と「ペレ」で2度カンヌを受賞したビレ・アウグストが 監督しています。
3時間というかなり長編映画ですが、夫婦のなれそめから別離、和解を描いています。同じような人生経験をしている大人にしかわからない部分の多い大人の映画と思います。北欧を舞台とした映像がとても美しく、音楽も効果的、かつ俳優の演技もパーフェクトで素晴らしく完成度の高い映画です。内容は暗く心が痛い場面が多いのですが、味わい深いです。(日本語のタイトルは映画の内容と逆で甘い感じで好きになれません)
投稿者 ishikawa : 19:32 | コメント (0)
2008年02月13日
RAGING BULL

レイジング・ブル
<キャスト&スタッフ>
ジェイク・ラモッタ…ロバート・デ・ニーロ
ビッキー・ラモッタ…キャシー・モリアーティ
ジョーイ・ラモッタ…ジョー・ペシ
監督:マーティン・スコセッシ
製作:アーウィン・ウィンクラー/ロバート・チャートフ
相変わらず古い映画ばかりであるが「RAGING BULL」を観た
ミドル級世界チャンピオン、ジェイク・ラモッタの自伝を映画化したもの。1980年公開だがほとんどが白黒で撮られている。
映画のオープニングは試合前のウォーミングアップでガウン姿のデニーロがシャドウをする場面がスロウで再生されマスカーニのオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」が流れる。このボクサーの孤独と栄光を暗示する、静かで美しい映像を見るだけでもこの映画を見た価値があった。
この映画のデニーロの演技は後にデニーロアプローチという伝説を残すほど徹底している、ボクサーの肉体とスタイルを半年かけて身につけ、撮影を一端中止して4ヶ月後には25キロ太って引退後のラモッタ演じた。
映画はボクサーの孤独と栄光、挫折、そして修復、再生を描いて旧約聖書を引用したラストは哲学的でもある。
投稿者 ishikawa : 20:52 | コメント (0)
2008年01月28日
メトロに乗って
中年になって、親と喧嘩をした人にオススメです。
SalyuのPLATFORMもステキな曲です。
Amazon.co.jpからです。
少年の頃の兄の死にまつわる一連の出来事で、父親との間に深い溝ができた真次。だが43歳になったある日、父親が倒れたとの知らせが。地下鉄の地下道でふとそんな父のことや兄のことを思い浮かべていた真次は、いつの間にか昭和39年の東京にタイムスリップしてしまうのだった…。
この真次が、タイムスリップしながら父親の過去を見て回り、実は父親に深い愛情があったことや、なぜあんなにも厳格だったのかなど、いろんなことを知っていくという展開。どんな人にもいろんな出来事があり、それによって考え方などが変わっていく様を、わかりやすく見せている。注目はその時代時代の人物を演じわけた父親役の大沢たかおと、彼の恋人を演じた常磐貴子の変貌ぶり。もちろん真次役の堤真一、不倫相手の岡本綾の受けの演技もいい。(横森 文)
文庫本です。

地下鉄(メトロ)に乗って (講談社文庫)
浅田 次郎
コミックもあるみたいですね。

地下鉄に乗って (KCデラックス)
浅田 次郎
【キャスト】
堤 真一 岡本 綾 田中 泯 笹野高史 北条隆博 吉行和子 常盤貴子 大沢たかお
【スタッフ】
原作:浅田次郎(講談社文庫・徳間文庫刊)/監督:篠原哲雄/音楽:小林武史/編集:キム・ソンミン/脚本:石黒尚美/脚本協力:長谷川康夫/録音監督:橋本文雄/撮影:上野彰吾(J.S.C.)/照明:赤津淳一/美術:金田克美/主題歌:Salyu「プラットホーム」(トイズファクトリー)
製作:ギャガ・コミュニケーションズ/ジェネオン エンタテインメント/テレビ朝日/メ~テレ/電通/松竹/IMAGICA/LDH/アドギア/ミコット・エンド・バサラ/デスティニー
投稿者 ishikawa : 01:15 | コメント (0)
2008年01月25日
雨月物語

雨月物語
【スタッフ】
監督:溝口健二
原作:上田秋成
脚本:川口松太郎、依田義賢
【キャスト】
京マチ子/水戸光子/田中絹代/森雅之/小沢栄/青山杉作
溝口健二の映画は実ははじめて見ます。ヌーベルバーグの巨匠たち、タルコフスキーなどに影響を与えた監督として有名です、縁遠くいままで未見でした。
雨月物語はタルコフスキーが好きな映画のベスト10の6番目にあげられている映画です。琵琶湖のシーンや霧に包まれた映像美と独特のカメラワークはタルコフスキーの映像を彷彿とさせここに原点があったのかと改めて認識しました。また幽霊役の京マチ子の演技の身のこなしと台詞回しは必見です。
画質の劣化がやや残念ではありますが、溝口作品をもう少し見てみたい気にさせられる作品でした。
投稿者 ishikawa : 09:43 | コメント (0)
2007年09月21日
SARABAND 〜サラバンド
イングマール・ベルイマン監督の遺作。渋谷のユーロスペースのレイトショーで見てきました。
追悼上映と言うことでレイトショーのみの上映で観客は20名程度で、年配の人がほとんどでした。ユーロスペースには他にいくつか映画がかかっていましたが、やはり一番閑散とした感じで少し残念。
映画は監督が30年ほど前に手がけた「ある結婚の風景」の続編として作られています。実はベルイマン監督作品を見るのはこれが2作目で「ある結婚の風景」も未見です。そんなことで映画の批評はとても書けないのでここではパスして印象のみ。
まず人物のアップが多く終始その表情をカメラが捉えていて顔面フェチばりのしつこさです。ただその表情は肖像画のごとくライティングが完璧でハッとするような美しいシーンいくつもありました。
そして画質がとてもクリアで美しいと初めから感じていたのですが、鑑賞を終えてパンフを読むと、上映はハイビジョンプロジェクター上映されたようです。ベルイマンはモノクロの時代から映画を製作していたわけですが、いち早くカラー作品、ハイビジョン作品と最新の映像技術を活かして映画を製作していたことになります。サラバンドはハイビジョン撮影された画像をフィルムに一度焼き直したらしいのですが画質の劣化が酷かったらしく、一番クリアに上映できるプロジェクターを使うことに監督が決めたようで、日本での上映も監督の意志によってプロジェクターで上映されたとのとこでした。本当にキレイな映像でした。
そして自分の無知で恥ずかしいのですが、どこかで見た俳優?だと思っていたら「アレクサンデル」そうタルコフスキーの「サクリファイス」のアレクサンデル役だった俳優エルランド・ヨセフソンでした。名優でした。

映画の内容については感じ入る場面も多かったですが、残念ながら理解できたとは言い難いです、もう少しこの映画とベルイマンが遺した作品をゆっくりと見ていきたい。
サラバンド公式HP
下は撮影中のベルイマン監督。

投稿者 ishikawa : 07:32 | コメント (0)
2007年08月23日
映画4作
恒例の夏休みの下田旅行とともにDVDを4作レンタルし急行と宿で鑑賞。
・ニライカナイからの手紙
・アラキメンタリ
・るにん
・めぐみ-引き裂かれた家族の30年
の順番で鑑賞。
旅行前日店に行って気になったものを端からチョイスしたので見終わって4作の組み合わせが全くバラバラであることが夏休みらしいというかあいもかわらあず分裂症気味な自分の趣向にうんざりです。
忘れましたが、昔これと似た設定でビデオレターを使う映画があったような。
沖縄と蒼井優ちゃんの設定がキレイで純粋な気持ちで観ることが出来る映画でした。泣けたかというと例のビデオレターネタを思い出してしまって泣けませんでした。ただし俳優は皆いい感じでした。そういえばNHKの朝ドラヒロインの比嘉愛未がちょい役ででていました。・・・どんと晴れ!。
天才アラーキーのドキュメンタリーです。蒼井優ちゃんもカメラマンのアシスタント役でしたがもしこのアラーキーのアシスタントだったらニライカナイからの手紙ももっと違った展開が・・・・と不遜なことを考えてしまいました。
この人には人をわくわくさせるエネルギーがみなぎっている。この映画を観てあらためてアラーキーは天才だと思うのであった。
長い!というのが第一印象。夏休みでなかったら途中で断念していたと思う。全体的に暗いし、救いがなく、正直あまり好きになれない映画です。
北朝鮮の拉致問題、横田夫妻を中心にしたドキュメンタリーです。拉致問題についてはテレビでも何度となく見る機会があって特に新鮮な映画ではなかったが、外国人が作りアメリカで公開されたことに意味があるだろう。
家族を取り戻すことが複雑な国際政治問題に結びついてしまうあたりにこの問題の不幸な一面がある。全て非公開にしてそっと拉致された人達を帰してはくれないのだろうか?家族の時間を取り戻せるならば拉致という罪を不問に付してもと考えてしまうほど切実な問題である。どうすれば拉致被害者を帰してくれるのだろうか?
投稿者 ishikawa : 07:25 | コメント (0)
2007年08月21日
殯の森

夏休みになったら一番で行こうと決めていた映画。
というわけで先週の月曜日渋谷のユーロスペースで観てきました。
月曜は仕事の予定でしたが、急遽休めることが朝一のメールで判明し慌てて渋谷に出かけていきました。朝の1回目しかかかっていないので。
久々にスケールの大きな作品に触れた印象でした。映像をもって日本古来の死生観を感じることができる濃厚な映画である。物語はグループホームの職員であり子どもを不慮の事故で亡くした体験をもつ真千子と30年以上前に亡くした妻を大切に思うしげきとの交流を描いている。映画の最後はしげきの妻の眠る森へと二人で墓参りに行くのであるが、その森で体験する出来事によって真千子の心の再生が次第になされていくのである。
カンヌのグランプリ(最高賞はパルムドール)を受賞した映画だけあって、特に映像の美しさ、ドキョメンタリー調の音声で状況を把握させる手法が秀逸でした。説明しすぎずわかりにくさを残さずという微妙な緊張感を保っていて想像力豊かな監督の才能に感心した次第です。(物語の本質的な部分について新聞など様々なところで批評されているのでそちらを参照ください)
是非オススメ映画なのですが東京では8/24以降は上映していないようなのと全国でも小さな映画館でしかかかっていないようでとても残念。
投稿者 ishikawa : 09:03 | コメント (0)
2007年08月20日
奥田瑛二 監督作品
奥田瑛二をはじめて知ったのはいわゆる80年代後半のトレンディドラマに俳優として出演していた頃である。それから文芸作品に映画俳優として出演するようになり2001年に「少女」で監督デビューした。
実は俳優としての奥田瑛二を映画ではあまりみたことがない。なぜなら日本のメジャー映画はあまりみないから・・・。
しかしついにこの春から夏にかけて3作すべて観てしまいました。きっかけは興味本位ですね、全部見たのは、はじめに観た「少女」が面白かったから。
三作ともテーマも設定も異なる映画で完成度も高く器用な映画監督という印象でした。ただしストーリー展開はハッキリ言って三作とも展開がくどくて終わりかなと思ってから二転三転するあたりがイマイチ。特に「るにん」は長すぎ!

長い散歩 プレミアム・エディション
最新作、緒方拳と子役の子が素晴らしい。ネグレクトなど家族問題や若者の自殺など社会的な問題をテーマにしている。ハートフルなエンディングかと思いきやラストはシュールで冷たいシーンが待っています・・・・しかしUAのカバーとはいえ「傘がない」はいくら何でも古すぎ!あの曲で映画自体が過去へと逆戻りしたのが凄く残念。昔の話だったの?

るにん
俳優奥田瑛二の迫真の演技が観られます。松坂慶子もなかなかです。映画としてはたっぷり時間があるときにどうぞ。

少女
これはとても好きです。奥田監督のデビュー作です。
人生を挫折して惰性で生きている人間があるきっかけによって「生」を取り戻す、あるいは取り戻そうとする。3作共通のテーマ?かもしれません。監督自身の経歴に近い?のかもしれません。
投稿者 ishikawa : 12:31 | コメント (0)
2007年07月31日
ベルイマン、アントニオー二没す
合掌。
ベルイマン89歳、アントニオー二94歳。
相次いで亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。amen.
ベルイマンの作品は日本では質の良くないDVDが高価に売られているようで、なかなか多くの作品を簡単に観ることはできないのが残念です。アントニオー二は1昨年あたりから安く質の良いDVDが出回りはじめました。
両巨匠の作品は数本観ましたが、マイナーな作品はやはりレンタルで観ることができず、DVDにもならずです。映像配信される時代になれば観られるでしょうか?著作権保護が50年はいくら何でも長すぎです。
投稿者 ishikawa : 20:38 | コメント (0)
2007年07月06日
ゆれる

ゆれる
オダギリジョー
1週間ほど前にDVDにて鑑賞。 西川美和監督は1974年生まれ、わたしより6歳も若い監督がカンヌに出品するようになると時の流れを感じます。(去年のことですが)
口コミを見るとなかなか評判が高いよう、ネットで西川監督の美貌を拝見して、どんな映画なのか気持ちを高め、いざ鑑賞。
男兄弟、しかも兄が地元で家業を継ぎ弟は東京でカメラマンをしている。兄のガソリンスタンド働く娘・・・弟の旧友で弟が東京で成功したことに憧憬の念をもっている、そして兄は密かに思いを寄せている、つまり三角関係。まじめで背が低く垢抜けない兄、東京でカメラマンしてオダギリジョーな弟。表面的には兄の気遣いによって仲の良い兄弟だが互いの境遇にについては距離をおいている微妙な関係。映画では3人一緒に遊びに行った渓谷の吊り橋で兄と娘二人で渡っていた最中の娘の転落死によって兄弟の微妙な関係が事故か殺人かで裁判の進行とともにあぶり出されていく。真相を互いに語らず時間に流されていく様はこの兄弟が大人になってから過ごしてきた時間を象徴している。しかし裁判によって弟が娘と最後の晩に寝ていた事が周囲にわかってしまいそうになった瞬間に兄弟の態度が反転する。
男兄弟は本音で話さないし会ったときも必要以上に会話などしない、たまの会話もぎくしゃくしていている。大人になると距離をおいてしか付き合えないものだ。映画では死んだ母が残した子どもの頃の8ミリフィルムが兄弟を再び結びつけるように無邪気な時の思い出くらいしか素直に男兄弟を結びつけるものはないのかもしれない。女性監督にしては鋭い洞察力。
映画は弟であるオダギリジョーの視線で作られていて同じ弟である私には気持ちが伝わる映画であった。最後に兄がほほ笑むシーンこそ兄弟の本当の関係を象徴している。兄はいつも弟を守っていたのである。
男2人兄弟の人にオススメの映画です。
投稿者 ishikawa : 04:06 | コメント (0)
2007年06月27日
A2

A2
ドキュメンタリー映画
「A」はレンタル出来ずに書籍で断念、「A2」はやっとレンタルでき早速、鑑賞しました。
これはテレビでは永遠に放送されることがない映画である。
オウム事件は次第に薄れつつあるが、このドキュメンタリーで危惧されているマスコミ報道の「ウソ」は次第にエスカレートしつつあるのだろう。オウム事件とその後のマスコミ報道は「殺人集団」「マインドコントロール」など一方的に教団を糾弾する報道一色であったように記憶している。しかも相当ヒステリックであった。このドキュメンタリーがなければそういった報道の信憑性が疑われることはなかっただろう。そういった意味でこのドキュメンタリーはオウムという宗教団体を扱ったドキュメンタリーではあるが、本質はマスコミ報道に対する批評として製作されているのである。現実と報道の乖離は今も悪い方向に向かっていると感じる人、マスコミ報道に疑いを持たない人も是非一度見て欲しい映画である。
テレビでは永遠に放送されることがない映画であるから。
投稿者 ishikawa : 11:43 | コメント (2)
2007年05月18日
SOLARIS 「惑星ソラリス」と「ソラリス」
邦題でいえば「惑星ソラリス」はタルコフスキー監督で「ソラリス」はソダーバーグ監督ということになる、30年の時を経て作られた「SOLARIS」だが最近まで未見で気になっていたソダーバーグ監督の「ソラリス」を見た。
「惑星ソラリス」はタルコフスキーは1972年公開と記録されている。わたしがこの映画をはじめて観たのは2003年頃だったのだが強い衝撃を受けた記憶がある。それは単なるSF映画ではなく見るものに人間の存在を激しく抉りとって突きつけてくる。映画はご存じの方も多いと思うが惑星ソラリスの磁場によって否応なく潜在意識が作り出すコピー人間があらわれ宇宙ステーションのクルーたちを悩ませるといった内容で、これは自らの意識が可視化されることで人が自意識やアイデンティティから逃れることが出来ないというアイロニーとその作り出されたコピー人間(死んだ妻であったり地球に残した孫や兄であったりするのだが)が人間ではないのにもつ人間らしい心にを感じることなどを通して、人を人たらしめるものとは、つまり人間の存在とは如何なるものかという再定義を突きつけてくるのである。映像は無機的でドーナツ上の宇宙ステーション(先行きがカーブしていて見通しがきかない)の閉塞感がテーマを助長していてバッハのテーマ曲も人間の宗教的で根源的なテーマをあつかっていることを暗示させる。
一方
「ソラリス」はハリウッドで製作された映画で「sexと嘘とビデオテープ」でパルムドールを獲得しているソダーバーグ監督による。ハッキリってこちらは単なるSF恋愛映画でオリジナルのような重みを感じるメッセージはなく、ソダーバーグが何の為に撮ったのだろうと思わせるお粗末な内容であった。ただ全体の映像の雰囲気は同監督の「カフカ」と同質の雰囲気を醸し出していてなかなかよかった。でもやっぱりジョージ・クルーニーはミスキャストと思う。
比較するにはハリウッド版があまりにお粗末であったが、あらためてタルコフスキーの映画が30年以上の時を経ても色褪せないことを再認識し敬服するばかりであった。

ソラリス
ジョージ・クルーニー

惑星ソラリスナタリア・ボンダルチュク
投稿者 ishikawa : 07:48 | コメント (0)
2007年04月10日
摩天楼

摩天楼
「水源」の映画版です。翻訳がヒットしたおかげでDVD化されたと思われます。
1000ページを超える小説をわずか2時間足らずの映画にしているのでかなり簡略化されています。それはいいとして、主人公役のゲーリー・クーパーの年齢と小説の主人公の年齢が明らかにかけ離れていて残念。小説では主人公の若さと力強さがその理想を実現していく勢いが感じられたのですが、映画の中のゲーリー・クーパーはどう見ても60才くらいの老成した建築家という風情でした。
さらに建築家の目でみると、主人公のデザインするモダンな建築もダメダメでしたが、そのあたりは映画ではどうしても具体的になりすぎてしまって、このての映画の難しさが露呈しています。
結論から言うと小説を読んだ人は特に見る必要のない映画です。映画だけ観た人は是非とも原作を。
投稿者 ishikawa : 15:18 | コメント (0)
2007年03月19日
TIME
TIME 邦題「絶対の愛」
監督:キム・ギドク
キャスト:ソン・ヒョナ、ハ・ジョンウ、パク・チヨン、杉野希妃(ソ・ヨンファ)
渋谷のユーロスペースで鑑賞

韓国は整形手術大国である。最近では日本からもツアーがあるらしいのだが、そんなお国柄から発想されたのが、この映画である。
顔は個人の属性として人格の形成に大きく影響を与えている。整形して別人となった人間は、その属性から逃れることができるのであるが、はたしてその人間のアイデンティティーに支障を来すことにならないだろうか?そしていつまでも出会った頃のような気持ちになるために、整形によって恋人と新しい恋を始めること、つまり整形によって時間を巻き戻すことが果たして出来るのだろうか?そんな問いかけをこの映画は投げかけている。
「それ、わたしが直しておきます」 2度言われるこの台詞の意味を映画でご覧頂きたい。
いつもながら低予算でとられた作品で、他の監督の作品ならば素人くさい美術や演出に見えてしまうような場面も不思議とこの監督の作風となっている。そして今回のキム・ギドク作品で特筆すべきはソン・ヒョナの迫真の演技でした。本当に迫力がありました。「スカーレット・レター」の時から気になっていましたが、この映画が最高でした。
それにしてもどうしてキム・ギドク作品は本国では不人気なのでしょう、理解できません。
ソン・ヒョナです、「絶対の愛」の公式HPから拝借しました。

投稿者 ishikawa : 23:11 | コメント (0)
2007年01月24日
The Passenger

さすらいの二人
この映画は久しぶりに痺れました。大好きな映画になりました。
《監督》 ミケランジェロ・アントニオーニ
《製作》 カルロ・ポンティ
《脚本》 マーク・ペプロー、ミケランジェロ・アントニオーニ
《出演》 ジャック・ニコルソン、マリア・シュナイダー ほか
暮れにアマゾンのDVDバーゲンを何となく見ていたら、この作品がなんと800円くらいで売られていました。その他に名画と言われいままでDVD化されていなかった作品が沢山ありました。推察するに500円DVDの影響もあるのではないかと。著作権切れになって500円で売られる前にそれよりやや高い値段で普及させてしまおうという狙いが感じられます。もちろん買い込みました。・・・・余談ですが。
【物語】アマゾンより
イギリスのトップ新聞記者であり、テレビ・レポーターのデイヴィッド・ロック(ジャック・ニコルソン)は北アフリカの砂漠にいた。彼はホテルの隣室にいた自分に瓜ふたつの男ロバートソンの死を目撃したことによって、順調に運んでいた仕事、愛する妻レーチェル(ジェニー・ラナクレー)と築いた家庭を棄てる決心をした。今までのすべてを棄て、新しい人生、つまりロバートソンの人生を生きようと決めたのだ。ロバートソンの死体を自分の部屋に運び、パスポートの写真を貼りかえると、一旦ロンドンに戻ることにした・・・。偶然のなり行きから、仕事と家庭を棄てて他人になりきろうとしたテレビ・レポーターの行動を描く。」アマゾンより
アントニオー二の作品のなかで一番痺れました。ストーリーといい、ロケといい、ラストの長回しのカメラワークといい最高でした。
デザインを扱うブログとして注記しておくと、バルセロナのロケでガウディの作品がいくつか登場します。そして主人公と逃避行するマリア・シュナイダーは建築を学ぶ学生という設定になってることです。なぜこの映画の中で彼女が建築を学ぶ学生かは考えてみる価値があるかもしれません。またガウディの作品もロケでは印象的なのですが彼らが逃避行する先々で宿泊するホテルもまた印象的でした。
アントニオー二の作品を観るのはこれが4作目なのですが、どれも好みの映画でした。なにが好みかといえば、映画の間合いでしょう、台詞が少なく台詞の合間の映像とその周辺から聞こえてくる音、そこだけ観ればただの日常的な場面に見えるだけの映像を映画に意図的に挿入している、その間合いがとても好みである、そしていつも真実こそ不条理である、と静かに語りかけてくるである。
この映画の有名な長回しこそアントニオー二の映画の本質と言えるのではないだろうか。
最高の作品でした。
投稿者 ishikawa : 19:03 | コメント (0)
2007年01月17日
麦の穂を揺らす風

THE WIND THAT SHAKES THE BARLEY
新年一発目は映画です。見たのは暮れですが。
20世紀初頭、イギリス支配下にあったアイルランドの独立の苦悩を描いた作品である。母国の土地を支配され外国人に弾圧される悲劇は簡単に語れるものではないが、自由を奪われ、母国語を奪われ、肉親を奪われ、独立を勝ち取ったと思った先に内乱となった歴史は、事の背景が異なるが、朝鮮半島の悲劇と重ねて見てしまった。そしてこのイギリス人を徹底的に悪として描いた作品がイギリス人のケン・ローチの手によってつくられた事実も驚きである。未見であるが、イーストウッドの「硫黄島からの手紙」もアメリカ人の手によるものである。ともに戦勝国の国籍であるが監督が敗戦国の視線で描いた作品である点で懐の深さを感じる。日本人の監督によって朝鮮併合や満州建国の悲劇が描かれる日がいつかくるのであろうかと思いを馳せてみたりした。
「ひとりの死は悲劇であるが、多数の死は統計である」
ある有名な芸術家の言葉であるが、教室で歴史の教科書で習う戦争もリアリティを感じることが出来ない。戦争の事実(悲劇)を伝えるには、映画のほうが多くを語ってくれる。
しかし東京では暮れに3館しか上映しておらす、そのうち終日上映していたのは1館のみであったのは大変残念であった。
ちなみに
「麦の穂を揺らす風」とはアイルランドの伝統歌でイギリス支配への抵抗を歌っている。歌からタイトルを借用したそうである。弾圧により命を落としたり、戦争で逝ったものを弔う時に、よく歌われたという。哀愁のあるメロディである。
投稿者 ishikawa : 11:05 | コメント (0)
2006年12月25日
picnicとundo

PiCNiC
Chara
岩井俊二の代表作。ふたつ。たぶん。
結論から言うと。面白かった。
「picnic」
精神病院を脱走し塀の上をpicnicする3人の若者の物語。塀の上とは社会の境界線の隠喩となっている。塀の上しか歩くことが出来ない3人は、一般社会に属することが出来ないことを意味している。しかしその塀の上から見える風景は下から想像もつかないほど、開放的な世界が広がっているのである。物語は精神異常をきたしたトラウマを振り払うがごとく、主人公のひとり「つむじ」がどんどん先へと求めるように塀をとだって歩いていく。
この作品はゴダールとアントニオー二へのオマージュなのではないだろうか。「気狂いピエロ」「Blow up」を思い描かせる場面が故意に挿入されていることがわかる場面がある。しかし作品自体は巨匠二人の作品とは全く異なる質を備えている。チャラが塀の上を走る場面のカメラワークは印象的で忘れられない映像でした。
この作品を岩井俊二の最高傑作とするファンも多いのも頷ける良い作品でした。
「undo」
これはもう山口智子ための作品といってもいい。強迫性緊縛症群という病気にかかった妻と夫の物語。映画のはじめ一見普通の夫婦に描かれているように見える二人。夫は妻に気遣いマンションで禁止されている犬の変わりにカメを二匹買ってくる。そういう気遣いのあるよい夫なのだが、映画は次第に妻が退屈している様子を描きだしていく、そしてリンゴを縛り、カメを縛り、夫の本を縛り・・・編み物をしている自分の指を縛り・・とエスカレートしていく。
誰にでもおそらくこの映画のように縛られたい願望というのは人間の本性としてあるのではないだろうか。特に都会のように人と人の関係が希薄になった現代では。何かに縛られていないと不安になるのではないだろうか。
映画の最後近く、豊川悦司にがんじがらめに縛られた山口智子の美しい姿、それとは裏腹な台詞。
「もっとちゃんと縛ってよ」
随分前の映画なので見た人には、今更なのだろうが、当時、岩井俊二が注目されたこととてもよくわかる尖った2本でした。

undo
山口智子
投稿者 ishikawa : 10:27 | コメント (0)
2006年12月22日
tokyo.sora

tokyo.sora
タイトルが気になっていつか見てみようと思っていた。
東京に生活する独身ひとり暮らしの女性6人のひとりひとりの生活を描いた作品。6人の女性はいずれも他人であり、それぞれの生活中で互いに微妙な距離感を保ちながら、独立した物語として描かれている。映画のラスト近くでその均衡が一度だけ破れるシーンがあって、二人の女性が意気投合し飲み明かし、早朝の東京を二人で走り出すシーン、絶望を共有した二人が夜明けに走り、やがて汗に濡れた服を脱ぎすててゆく、絶望から解放されたかのように走り続けていく。
とにかく、このシーンだけがとても印象的で、その他のシーンは抑揚がなくただただ日常が過ぎていくだけの映画である。
東京を走った女性のひとりが翌日、死んでしまう。そしてもうひとりもリストカットしていた。救いのない痛い映画で終わるのかとおもいきや、ラストシーンでお隣さんにお裾分けを持って行くシーンで終わるあたりがちょっとほのぼのしていてハッピーエンドっぽいのがね・・・・・。
映像としては逆光のシーンが多いのと透明感のある影のない映像、どこかで見たみたような・・・というか岩井俊二の少女系の作品の映像、間合い、美しい音楽も、かなり影響を受けているように思う。
面白くもつまらなくもない・・星3つ半。(5つが満点)
投稿者 ishikawa : 02:42 | コメント (0)
2006年12月08日
なごり雪

なごり雪 デラックス版
三浦友和
ひさびさの更新でしかも映画です。
「なごり雪」というイルカが歌う曲に出会ったたのはきっと小学生の頃で、それ以来良い曲だなと聞くたびに思っていた。この映画の「なごり雪」は作詞作曲者である伊勢正三が歌う「なごり雪」をテーマにしていて、それ自体が映画のテーマとなっている。
この映画に登場する主人公は50歳になるので、わたしとは一世代違いがあるが、10年後を想像させるに充分な内容の映画であった。映画は古里を離れずそこを大切に生きてきた友と古里を離れて東京で生活をしてきた主人公の物語で、団塊の世代よりやや下の日本の高度成長を支えてきた世代の二つ人生を大分の臼杵という場所を舞台に描いている。
全体の印象は、重苦しく寂しい映画であった。
なにか、とても今の自分にシンクロしてしまい見終わってしばし感慨に耽りました。
あまり大林監督の映画は観たことなかったのですが・・「転校生」以来二つめですが、「転校生」も好きでしたがこの作品もいい映画でした。
振り返ると人生って早いものだなと普通に言える世代になってきたこと、死に向かって生きているのだと感じさせる一本でした。
投稿者 ishikawa : 21:28 | コメント (0)
2006年09月22日
弓

「ぴんと張った糸には強さと美しい音色がある。死ぬまで弓のように生きていきたい/キム・ギドク12番目の作品」
渋谷のル・シネマで観てきました。韓国映画である。
カタログの解説によると、日本の「刀剣」に美と精神性があるように、韓国では「弓」がそれにかわるものなのだそうだ。その昔、中国からみて「東の未開地」であった朝鮮半は「東夷」と呼ばれ、この「夷」はもともと「弓」と「大」合わさった文字である。そうした弓のような強さをもった土地の伝統の上に儒教がひろまり、儒教こそは弓を大事な修養の一つとして重視する思想なのである。
この映画はそうした韓国の伝統を背景にしながら、設定こそ現代であるが、神話のような物語に仕上がっている。物語の設定は船上で二人で暮らす、少女と初老の老人の物語である。少女は7歳の時から船上で老人と暮らしはじめ、まもなく17歳となる誕生日に老人と結婚する予定になっている。老人は船上で釣り客に提供することで生計を立てており、唯一世界とつながっている。ある日、そこに若い釣り客がやってきて、少女の心を奪ってしまう。そこから老人と少女と若者の闘いとなるのであるが・・・・・。
いつもながら唐突な場面設定と展開にはやや違和感を感じるが、クライマックスの衝撃的ともいえるファンタジーは「弓」というコンセプトが浮かび上がらせていて見事としか言いようがない。前作「うつせみ」と共通してコンセプトを日常ではあり得ないようなファンタジーをもって集約していくシナリオは世界でも唯一の個性のある映画監督として認められつつあるのではないだろうか。この映画が韓国で1週間で打ち切りになることは大変不幸なことで、新作「タイム」も欧州各国配給が決まっているのに韓国では当初配給不能であったとは、とても信じられない。
今までもこの監督の映画は韓国では興行的に不幸な状況であった、そうした母国での扱いと欧州における高い評価との葛藤がこの映画最後に映し出されるメッセージとなっていると感ぜずにはいられない。
「ぴんと張った糸には強さと美しい音色がある。死ぬまで弓のように生きていきたい/キム・ギドク12番目の作品」
「弓」公式ホームページ
投稿者 ishikawa : 15:52 | コメント (0)
2006年09月19日
「太陽」 The Sun

映画『太陽』オフィシャルブック
アレクサンドル ソクーロフ, Aleksander Sokurov
ソクーロフの「太陽」を新宿ジョイシネマで観てきました。雨の祝日9時半スタートということもあって、300名くらいの入ると思われる客席は2割程度といったところでした。
ご存じの通り「太陽」は昭和天皇ヒロヒトを第二次大戦の終戦前後を描いた作品である。映画は、皇居地下での天皇の生活の様子、終戦を決断する御前会議、海洋生物の研究、そして議事録が残っていないとされる、マッカーサーとの夕食でのやりとり、そして人間宣言する前夜の様子などを描いている。
昨今「靖国問題」によって再び第二次大戦の戦争責任について国内でにわかに論争起きている中にあって、この映画の意味するところは奥深いと感じる。それは史実を読むだけでは理解不能な、昭和天皇とその周辺の雰囲気というものがスクリーンから伝わってくるからである。私自身は戦後の昭和43年生まれで昭和天皇の姿と言えば、正月と天皇誕生日の一般参賀くらいしか思い描けず、学校では天皇は「国の象徴」という事以外は一切教わらす、周辺もなにやら天皇について語るのを避けている様子であるし、青年の頃になるとそれがなんとなく黒ずくしの大ボリュームで街を回遊する車の団体へと結びついているのだと知るようになる。おそらくそうした認識をもつ国民が我々の世代前後では圧倒的多数なのではないだろうか。そうした戦後の時代に意図せず隠蔽された何かをこの映画は伝えていることは確かである。
個人的なつまらない感想はこのあたりにしてネット上でいい批評を見つけたのでリンクしておきます。「君臨すれども統治せず」これがキーワードであります。
評論インタビュー:アレクサンドル・ソクーロフ監督『太陽』(2004)
アレクサンドル・ソクーロフ監督『太陽』オフィシャルホームページ
投稿者 ishikawa : 08:21 | コメント (0)
2006年08月31日
マイ・アーキテクト 再び

マイ・アーキテクト ルイス・カーンを探して
DVDが発売になります。
これは単にルイス・カーンの建築を紹介する映画ではありません。
監督はカーンの愛人の息子、私生児である、ナサニエル・カーンによるものです。ナサニエルは11歳の時に父であるカーンと死別しています。しかも母は愛人であるためカーンがナサニエルの家に来て過ごしたのはごく限られた時間でした。成人しドキュメンタリー映画の監督となったナサニエルは父であるカーンとは如何なる人物であったのかを知るために父との失われた時間を求めて、父が残した建築をたどる旅にでるのです。
映画はカーンの残した建築をたどりながら、事務所のスタッフ、コンストラクター、クライアント、フィリップ・ジョンソンなどの同時代の建築家、批評家、敵対していた都市計画家、建築の使用者、カーンを乗せたタクシードライバー、カーンの死体の第一発見者、二人の愛人、愛人の子供たち、そしてバングラディシュの人たち、とあらゆる人々へのインタビューを通じてカーンの様々な側面が照らし出されていく。
建築界では巨匠として尊敬されているカーンではあるが、私生活では決して尊敬される人物ではなかった事実がドキュメンタリー映画らしく容赦なく語られています。
ドキュメンタリー映画としても大変評価の高い作品として仕上がっていて、カーンの建築の現在の姿が見られることで建築関係者はもちろん、一般の人たちにはヒューマンドラマとしての視聴に充分耐えうる内容です。
あぁ 巨匠って・・・だなぁという一作です。
投稿者 ishikawa : 02:05 | コメント (0)
2006年08月17日
ザ・コーポレーション

ザ・コーポレーション
企業をテーマにしたドキュメンタリー。というと簡単ですが企業を人にたとえると日本語で言えば法人になるのですが、精神分析をすればサイコパスつまり精神異常であって、その精神異常者が20世紀を支配してきた・・・・・。
コカコーラやIBMなど数多くのアメリカ企業がナチスドイツで商売をし利益を上げていた事実、特にIBMのシステムがユダヤの強制収容所の管理システムとして採用されていたことを詳細に取材している。
マイケルムーアの 「華氏 911」「ボーリング・フォー・コロバイン」 でも企業が社会に与える影響を訴えていたており、今のアメリカ政権と企業との結びつきは世界中が知っていることであるが、いまなお世界中で戦争やテロを止めることが出来ないのはなぜだろうか。
この映画では最後に、ホンジュラスの市民活動の話やカーペットで有名なインターフェイスのCEOの持続可能な企業活動へのシフトの話など21世紀に向けて前向きな話題でドキュメンタリーを締めくくっている。
さて
振り返って我々の問題として、設計業界も積極的に持続可能な社会へと貢献するために何をすべきか、そして個々の設計者が何を考えるべきかを考えさせられる。
それにしても
こんな内容のドキュメンタリーを配給できるアメリカ社会は奥深い。
投稿者 ishikawa : 10:02 | コメント (0)
2006年08月10日
パク・チャヌク リベンジ・トリロジー

パク・チャヌク リベンジ・トリロジー (初回限定生産)
夏休み前ということでお薦めのDVDを
パク・チャヌク リベンジ・トリロジー
復讐3部作
復讐にとり憑かれた者達の物語。
「復讐者に憐れみを」
この映画の復讐者は3作中もっとも身近で一歩間違えば誰もが当事者になり得る存在で見る側が自己投影しやすい。病気の姉をもち聴覚障害者であり工場を解雇された者。娘を誘拐され殺された者。同情的な境遇をもつ二人の復讐の顛末が描かれている。
3作中もっとも構成がシンプルで飾りが無い映画であるが、それだけにリアリティがある。この作品の俳優達が次作、次々作へと役所を替えて出演していくあたりも3部作の見どころでもある。
「オールド・ボーイ」
おそらく前作の興行的な失敗を意識して3作中エンターテイメントを最も意識して撮影された映画である。また日本のマンガが原作であることで有名。
復讐者は3作中もっとも特異な存在であり、まさかここまでのスケールの大きな復讐劇を仕込む奴がいるなんてと思わせる程、執念深い奴である。しかも復讐される側の本人はその相手の存在すら忘れているのだから。
この物語は些細な言動が知らないうちに相手を深く傷つけたり、あるいは本人に悪気はなくともその周囲の悪意によってその言動が助長され取り返しのつかないことに発展することをある意味ホラーとして描き、おそらくは監督自身が普段悩まされているマスメディアに対する社会批評が含まれていると感じた。映画はスピード感に溢れ壮絶な世界へ見る者を引き込む、見た後には誰もが疲労感を感じるはずだ。
3作中最も質の高い作品に仕上がっていると思う、カメラワーク、美術、音楽、シナリオ、俳優の演技とどれをとっても韓国映画の質の高さを感じる1作である。カンヌのグランプリも獲得している。ホスト役であったタランティーノはこの映画のある場面で号泣したと言う。
「親切なクムジャさん」
「宮廷女官 チャングムの誓い」 のイ・ヨンエ主演で話題となった作品。イ・ヨンエはこの映画で親切で天使のようなクムジャと赤いシャドウをし残忍な復讐をする冷徹なクムジャを演じ分けている、この対比が映画のキーコンセプトになっている。
復讐者は前2作に比較すると復讐の動機が弱いのが特徴である。自分が誘拐を手伝ったことで殺された子供とその罪を自分の子供が人質に取られれたことで全ての罪をかぶることで、真犯人がその後も子供を犠牲にする。そうした自分の過ちを子供たちの両親に対する贖罪することが彼女の復讐の動機となっている。3作中もっとも純真な心の持ち主と言える。
物語は贖罪する事で魂の救済を求めるクムジャの苦悩の物語といえる。しかし復讐を遂げてなお魂の救済を得ることができない切ない物語でもある。雪が降る夜道で純白のケーキに頭を突っ込みむさぼるラストシーンがとても切ない。
イ・ヨンエは罪深く醜い内面をもち苦悩する姿が、その純真な美しいルックスとコントラストとなり他に出演したドラマや映画にまして美しく見えるのである・・・・ファンになりました。
韓国盤のサントラお薦めです。
投稿者 ishikawa : 08:15 | コメント (0)
2006年04月23日
THE COAST GUARD コースト・ガード

コースト・ガード
受取人不明につづきキム・ギドク監督の映画。
受取人不明も心に痛い映画であったがこちらも同じように痛い映画である。
北からのスパイを警戒して海岸線を警備している海兵隊を主人公とした映画。海岸線は夜には立ち入り禁止区域となり、そこに侵入したものはスパイと見なされ射殺されてしまう。
この映画の主人公は夜、酒によった民間人である恋人同士が立ち入り禁止区域に入り戯れていたところをスパイと思いその一方を(男性)射殺する。
そこから、様々な問題が照らし出されていく。
民間人の住んでいる地域と海兵隊の摩擦は恋人を殺され気がふれてしまう女性を象徴として様々な事件が起こる。また民間人を射殺した海兵隊員もまた精神を病み次第に狂気となっていく。
韓国の経済が高度成長しソウルでは日本のバブルの頃のように人々が浮かれているのも韓国の真実であるが、北からの侵入者を警備するための軍隊もまた韓国の現実で、あまりに乖離した現実の対比がラストシーンに描かれている。映画の冒頭で流れるもの悲しく、たそがれた音楽が印象的であった。
そういえばここのところ竹島の騒動のニュースをみていたら韓国の船の横腹にCOAST GUARDと書かれていた。
投稿者 ishikawa : 00:35 | コメント (0)
2006年04月19日
Address Unknown 「受取人不明」

受取人不明
2001年キム・ギドク監督作品
1970年代の韓国の米軍基地の田舎町を舞台にしている。物語は黒人混血児、片目が見えない少女、いじめを受ける小心な青年の3人の若者の希望と絶望を描いている。
かなり特殊な舞台設定であるが監督自身の体験にもとづいた物語で70%くらいは事実であるという。
Address Unknown とは黒人混血児の青年チャンチグの娼婦であった母が自分をいつか迎えに来ると信じてアメリカに手紙を出すのだが、いつも「Address Unknown」というスタンプが押されて帰ってくるところからとられている。
物語は救いがなくただただ悲しく寂しい物語である。
監督は韓国人をただ被害者として描いているわけではなく、韓国に駐留する米軍にも苦悩があるということも描かれている。そして米軍という異文化との絡み合いや矛盾が次第に互いの人生に絡み合いながら転落して行く様を淡々と描いていて、こうした悲劇を美しい映像が際だたせている。
投稿者 ishikawa : 23:11 | コメント (0)
2006年03月05日
うつせみ 3-iron
「うつせみ」
「せみのぬけがら。そのように、この世はたよりなくはかないということ。現世あるいは、現世の人の意で、「世」「命」「かわれる身」「人」「むなし」などにかかる枕詞。源氏物語の巻名。第三帖。」
3月に公開されると聴いていて楽しみにしていたのだが、日本では「空家」で雑誌などには紹介されていて「うつせみ」という日本語タイトルになるとは直前までしらなかった。上記はプログラムから引用した。このタイトルは映画によく似合っている。
キム・ギドク監督作品で昨年の公開だが日本では初演である。恵比寿のガーデンシネマで初日、初演で見てきました。1週間のみ公開の割に空いていて、日本ではまだこの監督はあまり知られていないのでなとあらためて感じ少し残念。
映画は留守宅に侵入しては住人が戻るまでのつかの間のあいだを過ごす日常を送っている青年と、ある日青年が侵入した家にいた孤独で不幸な美人妻が出会い、そこからふたりの奇妙な逃避行がはじまるというストーリーである。そして主人公ふたりは一切言葉を交わさないままというのが演出のポイントである。
・・・・
独創的な設定と突飛な展開はさすがで面白かった。でもひとによっては突飛すぎてややぎこちなさや、雑な感じがするのではないだろうか、またラストに主人公の青年が身につける術はややビミューという感じがしたが、西洋人に東洋の神秘としてうけいれられたのだろうか?ヴェネチアで評価受けるにはややチープな感じもしたが・・・。それともユーモアとして評価されたのだろうか?
これで
「魚と寝る女」「悪い男」「春夏秋冬そして春」「サマリア」につづきこの監督の映画を5本見た。ドラマの設定が実に多才で器用な印象であるが、やはりはじめに見た「サマリア」がいまのところ一番良くできていたように思う。
この作品に関しては星4つ。(最高は5つ)
うつせみ公式サイト
投稿者 ishikawa : 22:06
2006年02月05日
The isle
99年キム・ギドク監督作品
the isle とは孤島という意味である。邦題は意味不明。
とにかく美しい湖上の映像と対比して醜い人間の欲望や罪が照らし出されている。この監督はよく「人生は美しい」とインタビューで応えているが、映画のストーリーやそこに登場する人物はクズのような最低でどうしようもない社会的底辺に属するひとたちで、この映画も例外ではない、そういう醜い部分も含めて生きている人間の人生こそ美しいのものである訴えているのだろう。
この映画もそうした底辺にある人間を描いている、表現は過激で痛い場面が多くあるが全体的には優しい眼差しと美しい映像によって「美しい人生」を表現している。
湖上の釣り宿にふたりきり逃避行するラストシーンは特に美しい、個人的にはここで終わって欲しかったがラストにもうワンシーンある。女管理人役のソ・ジョンは特に美しく魅力的である。
投稿者 ishikawa : 15:58
2006年01月30日
キム・ギドク 金基徳

キム・ギドクの世界 〜野生もしくは贖罪の山羊〜
チョン・ソンイル, 秋那, 南 裕恵
「サマリア」「悪い男」とブログで紹介し「魚と寝る女」「春夏秋冬・・・そして春」と既に手許あるのだが、先にこの本を読んでいる。
この本は映画監督キム・ギドクのエッセイと彼を理解する少ない映画評論家ソン・チョンイルの評論、インタービューによって構成されている。
本のサブタイトルになっている「野生もしくは贖罪の山羊」という意味が少し理解できたがやはりキリスト教を知ることでこの監督の映画の理解はより深まることを知った。
映画監督のことなので作品を見ることが一番であるが、映画の背景にある監督自身の思想の背景を解くためにこの本は役に立つだろう。
投稿者 ishikawa : 22:20 | コメント (0)
2006年01月22日
Bad guy 悪い男

悪い男
以前紹介した「サマリア」と同じ監督、キム・ギドクの作品。あり得ないストーリーを強引にまとめ上げている。
「サマリア」を見たときに車が滑りうまく前に進めない感傷的なラストシーンがあったが、この映画にもそうした優しい眼差しが感じられる。
ストーリーは一目惚れした普通の女子大生を騙し売春宿に売りおとしめていくことがヤクザの主人公ハンギの愛情表現という、わけのわからない設定である。
そこには監督独自の視点が存在し、娼婦を男を慰める聖女とみる視点や、一言しか台詞のない主人公ハンギ捻れた感情への共感など、おそらくこの監督独自の捻れた視点が作品に新しい感情を呼び覚ます原動力になっているのではないだろうか?
このDVDセットに監督のプロフィールがあり初めて知ったのであるが、家の事情で高卒で働きはじめ、その傍ら絵の勉強をし単身パリに行きアトリエを開き、帰国後、二つの脚本を応募しそれが見事映画化されると言う、全く映画の素養のないまま監督になった人物で監督の人生自体がサプライズであり、この映画のようにサプライズな設定を描けるのはそうした監督の人生体験がなせるワザなのではないだろうか。
投稿者 ishikawa : 12:40 | コメント (0)
2006年01月17日
oasis オアシス

オアシス
正月に実家に帰った時に韓国と韓国映画にはまっている兄の大量のDVDからオススメを10本程度借りてきた中のひとつ。
以下はアマゾンから借用です。
「刑務所を出所したばかりの男と重度脳性麻痺の女。冷淡な社会から疎外された二人の純粋であまりにも美しすぎる恋愛物語。出演はソル・ギョング、ムン・ソリほか。」
ストーリーは社会からはずれたところで弱者同士の純愛物語ではじめは一般人から見て風変わりな視点で捉えられているが、次第に視点が逆転して主人公の2人からみてどうして廻りはもっと理解して上げられないのだろうというように意図されて映画は進んでいく。
そしてなんといっても見所は、重度の脳性麻痺の主人公を健常者である女優が見事に演じていることである。これはかなり迫真の演技であると思うし、ここまで演じるのはかなりの研究と障害者への理解が必要なはずである。また男優もさりげないがいい演技でこの映画を支えている。
映画をみた感想は静かな感動と社会の偏見について考えさせられるもので、それは決して障害ということに関してだけではなく偏見に対して普遍性のあるメッセージに高められて訴えてくる映画であった。
投稿者 ishikawa : 22:03 | コメント (0)
2005年11月19日
モーターサイクル・ダイアリーズ

モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版
おくればせながら やっと 見ました。
結論から言うと 自分のなかでも最高部類に位置する名画でした。 感動しました。
若く真面目な医学生であったキューバ革命の指導者のゲバラのが南米大陸を横断する旅にでる物語。
革命の指導者であるゲバラは自らも喘息を患う弱者故に、医学の道に進みハンセン病を専門とし、旅する中で南米の先住民が植民者によって虐げられ貧困にあえぐ現実を見て矛盾を感じそして怒りへかわる様子も描いている。
ゲバラが泳いでハンセン病患者を閉じこめている境界である河を喘息を患う肉体で渡ろうとするシーンは この映画とゲバラの人間性が象徴されていて、とても忘れることの出来ないシーンであった。(涙)
わたしはコミュニストというわけではありませんが 映画は 超 オススメ です
投稿者 ishikawa : 16:43 | コメント (0)
2005年11月12日
裏窓 Rear Window

裏窓
製作・監督: アルフレッド・ヒッチコック 脚本: ジョン・マイケル・ヘイズ 撮影: ロバート・バークス 出演: ジェイムズ・スチュワート/グレース・ケリー/レイモンド・バー/セルマ・リッター/ウェンデル・コーリイ
ヒッチコックといえば「鳥」「サイコ」くらいしか見ていないが、はじめて見た「裏窓」が一番面白かった。
日本ではこの映画にでてくるような裏窓の風景はあまりないだろう。ニューヨーク(原作はロンドン)のフラットの裏窓からの様子が興味深い。
裏窓とは通りから見て裏側ということなのだろうか?囲み型の集合住宅であれば、欧米の中庭側は全て裏窓ということなのだろう。日本の場合、方位によって南側にリビングが来るので居間が中庭に面している場合は裏窓とは言わないのだろうが・・・など職業柄気になってしまった。
映画の裏窓から見える風景は、変化に富んでいて様々な人々の生活が垣間見えて楽しい。窓、バルコニー、階段、中庭などが、実に巧みにそこで生活している人々の人間模様を写し出す舞台装置として出来ていて、建築家以上に巧みにデザインしていて感心しきりでした。
集合住宅など手がける設計者必見ですな!
オススメ
投稿者 ishikawa : 00:17 | コメント (0)
2005年11月09日
オールド・ボーイ

オールド・ボーイ プレミアム・エディション
出演: チェ・ミンシク, ユ・ジテ, その他
監督: パク・チャヌク
2004年カンヌのグランプリ・・・というとあれだが、最高賞のパルム・ドールは「華氏911」であったので2番目ということでしょうか?「華氏911」は映画館で観たが、これはレンタルであった。残念!いまにして思えば逆でした。
「復讐」に取り憑かれたもの凄い映画であった。
カンヌのグランプリも納得でタランティーノが好みそうな映画です。つまり、テンポがよくウィットがある・・ハリウッド的である。同じ「復讐」をテーマにしている「キル・ビル」よりもテーマがやや高級でストーリーの展開や映像も巧みでした。多くの場面で北野監督的、ベルイマン的、タンランティーノ的・・・知識が少ないわたしでもそれとわかる場面が多かったですが、巧みにつなぎ合わせていたのではと・・思います。
オススメ!・・・ですがバイオレスシーンが多くR15指定です。心臓の弱いかたは控えた方が良いです。
映画を国策として振興している韓国ですが、どんどん面白いものをうみだしています。
投稿者 ishikawa : 08:18 | コメント (0)
2005年11月06日
初恋・地獄篇
たまたまレンタルで興味をもち見た映画。
監督: 羽仁進 脚本: 羽仁進/寺山修司
寺山修司だけは名前だけ知っていたが、作品に触れるのははじめて。
1968年の作品でわたしが生まれた年である。モノクロームの映画でその時代の新宿の夜の様子を映像と雑踏の音ではじまる映画で、物語は不条理な生い立ちをもつシュンという主人公と集団就職で東京にでてきて今は新宿で「ヌードモデル」をしているナナミの恋愛の物語。
だが初恋というタイトルから通常連想する甘い雰囲気は全くない。
シュンは親に捨てられ施設から里親に引き取られた両親に育てられ、その父に性的虐待を受けていた。(子供は親を選べない不条理)
ナナミは「ヌードモデル」(今で言う風俗嬢)でそこで知り合った会社役員の男に優しくされSMの世界などを経験していく。(社会の不条理に身をおくナナミ)
つまり物語は二人の恋愛物語ではなくこうした特異な二人の出会いによって浮き上がる社会や人間の不条理をテーマにしているのだと思う。
映画を見終わって、キューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」を思い出した。時代や場所の違いはあれど人間の肉体(肉欲といってもよい)によって照らし出される不条理な世界観が結びついているように感じたのかもしれない。
個人的にはこの時代の風俗描写が新鮮で新宿も昔はこうだったのだなぁ・・・と。
先日紹介したアントニオーニも「Blow up」も同時代の映画である。自分が生まれた頃につくられた映画はやはり気になる。
映画に関連してこんな記事も見つけました。
映画の中の子ども・学校・教員
スタッフ・キャスト
製作: 藤井知至 監督: 羽仁進 脚本: 羽仁進/寺山修司 撮影: 奥村祐治 録音: 久保田幸雄 美術: 金子国義 照明: 鎌田慧 スチール: 沢渡朔 出演: 高橋章夫/石井くに子
投稿者 ishikawa : 12:16 | コメント (0)
2005年10月23日
BLOW UP

欲望
1966年 ミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。
アマゾンのレビュー
「Amazon.co.jp
深夜の公園でカップルを盗み撮りした売れっ子カメラマンのトーマス(デヴィッド・ヘミングス)。そのことに気づいたカップルの女性(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)は、彼にネガを出せと迫る。しかし、彼女に別のネガを渡したトーマスが本物を現像してみると、そこに映されていたものは…。
イタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督が、彼の不変のテーマでもある「愛の不毛」をモチーフにイギリスロケで撮りあげたスタイリッシュなサスペンス不条理劇で、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した問題作。モード感覚あふれた美術や衣装、そして音楽などのセンスがすばらしく、それらは時代を超えた流行の先端として、今なお採り上げられることもしばしである。(的田也寸志) 」
ウィットにとんだ表現が難しいテーマのわりに飽きさせない映画。監督自身2作目のカラー作品で意識して強い色彩を強調している(この時代の色彩は建築のカラーリングにも共通している)。
アントニオーニの映画は実は「愛のめぐりあい」を観ただけであるが、主人公の突発的で大胆な行動はどこか似ていてイタリア野郎ってこんな感じなのだろうか、映画の内容以上にひかれる部分である。
またこの映画にはアントニオーニ研究家の音声解説が付いていて一般的な映画の解釈を解説していて親切ではある・・・・が、かなり細かいところまで解説していてうるさい・・と思うところも多い。
全体的な映画のセンスは久しぶりにとても気に入った作品であった、とても40年近く前の作品とは思えない、邦題の「欲望」は解せない! が オススメ。
投稿者 ishikawa : 10:31 | コメント (0)
2005年10月12日
サマリア

サマリア
韓国映画。韓国にも援助交際があったのですね。
出演: クァク・チミン, ハン・ヨルム, その他
監督: キム・ギドク
いい映画でした。たぶん。
援助交際をひとりは見張り、ひとりはオヤジの相手という分担していたことからはじまる高校生の物語で、オヤジの相手をしていた女の子は警察に追われて窓から飛び降り・・・・死。そして見張りをしていた女の子は、援助交際していたときから友人に後ろめたさがあったこともあって、友人の死によって決定的となった自分の罪を罰として友人が相手をしたオヤジたちの相手をしながら以前稼いだお金を返していくのである・・・・その過程で彼女は友人を再発見しオヤジを通した現実の社会と直面する・・・・そうした行為を今度は偶然に彼女の父親が目撃する。そして映画は父の視線から彼女のそうした行為を追いかけることとなる・・・・。
物語の主題は実は二人の高校生のことではなく、母親を死でなくした、父と娘が現代を生きる物語として丁寧に描かれている。そしてとてもキリスト教的である。情感のこもった映像がいやみなく表現されていて素直に感動できる。
オススメの映画です。
投稿者 ishikawa : 20:56 | コメント (0)
2005年10月11日
海を飛ぶ夢

海を飛ぶ夢
スペインの映画。動けない主人公が想像力を働かせて海を飛ぶシーンは印象的であった。
尊厳死を語るほど知識がないのでアマゾンからストーリーを
25歳の時に海で起きた事故で首から下の全身の自由を奪われ、寝たきりの生活を送り続けてきたラモン・サンペドロ。26年間、彼は家族の絆や介護に支えられ穏やかに暮らしてきたが、自分らしく生きるために「尊厳死」という選択をするが、彼を心から愛する人々は、彼の選択に動揺し、葛藤する———。
個人的には、直面しないとなんとも考えにくいテーマで、映画の場面もそういう葛藤が感じられ目にしたくないシーンがいくつかあった。
・・・・・感想を書きにくい映画である。 自分のなかで評価が定まらないというのが正直なところです。
投稿者 ishikawa : 09:04 | コメント (1)
2005年09月22日
砂の器
これも連休中にみました。ちなみに去年のドラマはみていませんが。
今年もアエラに特集記事が載っていて、映画に出てくる地方都市の様子が書かれていました。ハンセン病と裏日本。
物語の評価は既にいろいろ語られているので、違った視点で
映画は丹波哲朗や加藤剛など若くて・・・・。加藤剛と仲居くんでは比較にならないかんじしたね。そのほか、笠智衆、緒形拳、菅井きんなどオールスターキャストで楽しかった、役のうまい下手はかなりありましたが。
それと裏日本の都市の様子なども時代を感じましたね・・・。
もう少しと言うところもありましたが、全体的にはいい映画でした。
投稿者 ishikawa : 09:19 | コメント (0)
2005年09月18日
Ray / レイ
連休ということで ふらっと立ち寄り借りました
実は世代が完全にずれているので、ソウルの神さまで、愛しのエリーをカバーしたした時の印象くらいのことしかしらない。
映画の時間も50年代後半から70年代前半くらいまでがメインでレイ・チャールズがヒット曲を世に送り出していた時代で、わたしのが生まれる前のことばかりであった。
映画はソウルの神さまの暗い部分、ヘロイン、女、人間関係、ビジネス、人種差別など音楽以外の部分が描き出されていて興味深かった。特にヒット曲を連発していた頃はヘロイン中毒であったこと、中毒を克服したあと音楽的に発展がなかったことを考えると複雑な思う。そして人間関係もダーティーで冷徹な部分も描き出されていて、単に人物を神格化する映画ということではなかった。
映画の見せ場はやはり、ライブやレコーディングなどでアドリブで次々に新しい音楽を創造していく過程を描き出していてなかなかで、この部分は映画館でみたほうが迫力だったろうなぁとちょっと残念であった。
休日にはオススメの映画です。
投稿者 ishikawa : 20:52 | コメント (0)
2005年09月13日
MY ARCHITECT a son's journey
表題の映画 ルイス・カーンの息子が作成したドキュメンタリーです。日本で今年の秋頃上映されると噂を聞いたのですが、確かな情報がありません。
海外ではDVDが既に発売されています。 上映されないなら輸入盤のDVD購入しようと思うのですが・・・。
どうなっているのでしょうか?わたしだけ浦島太郎状態なのかさっぱりです。
投稿者 ishikawa : 09:03 | コメント (6)
2005年08月19日
珈琲時光

珈琲時光
珈琲時光
出演: 一青窈, 浅野忠信, その他
監督: 侯孝賢
レンタルビデオ屋で「小津安二郎生誕100周年を記念して・・・」という、うたい文句を見かけて、何気なく借りた。
小津作品との関連性(ローアングル、間合い)も感じられるが、全く違う質の作品に仕上がっていた。
ストーリー自体は平坦ではないが、映画自体はまったりと淡々と進行していく。
小津作品でいえば、笠智衆の父役に小林稔待が配役されているとイメージを重ねていたのだが、どうも見当違いで、一青窈、配する陽子の現実を受容して動じないクールなイメージこそ現代的な笠智衆だったのかもしれないなぁと・・・。
とにかく全体に平凡で退屈な日常を見るような映画の進行だが、不思議と飽きずに全て見てしまった。なにが良かったかわからないが、いい映画を見た後の満足感の残る作品であった。(なんの批評にもなっていませんが・・・見ないとわからない映画です)
@tea break
投稿者 ishikawa : 15:03 | コメント (2)
2005年05月04日
みんなのいえ

みんなのいえ
レンタルビデオ屋で偶然見つけた映画。監督である三谷幸喜の家づくり体験をもとにコメディに仕上げられている。
新進気鋭のデザイナー役の唐沢寿明とクライアントの父であり大工である田中邦衛のキャスティングだけで、専門の方はどんな物語が想像がつくのではないだろうか?
我々は唐沢寿明の視点から感情移入するが、見る人の立場でクライアント、大工、クライアントの親、等、家づくりに関係する面々や干渉したい面々が登場しそれぞれの立場で感情移入できる点が誰もが一度は経験する家づくりの幅広さと面白さを伝えている。
ちょっと設定がおかしいところもあったり、誤解を与える向きもあるが、概ね、家づくりでおこるトラブルのツボは抑えられていて、笑いのツボも専門である我々からみても「あるある、そうそう」という感じでなかなか面白かった。
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スタッフ・キャスト
製作: 宮内正喜/高井英幸 監督・脚本: 三谷幸喜 撮影: 高間賢治 音楽: 服部隆之 出演: 唐沢寿明/田中邦衛/田中直樹/八木亜希子/野際陽子/吉村実子/清水ミチコ/山寺宏一/白井晃/伊原剛志/江幡高志/井上昭文/榎木兵衛/松本幸次郎/松山照夫/八名信夫/布施明/井上昭文/近藤芳正/梶原善/松重豊/梅野泰靖/戸田恵子/中井貴一
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投稿者 ishikawa : 12:43 | コメント (0)
2004年07月03日
「ゴッドファーザー」マーロン・ブランド 死す

ゴッドファーザー DVD-BOX
マーロン・ブランドが亡くなった。享年80歳。
ゴッド・ファーザーのあのしゃがれた低い声で、たまにぼそっと言う重みのある格言めいた台詞が観るものをグッとマフィアの世界に引き込む雰囲気のある俳優だった。
また映画の中の最後のシーンがわたしの印象から離れないで残っている。この映画でアカデミーの2度目の主演男優賞を受賞したが、アカデミーでの北米俳優の扱いの低さに抗議して辞退したエピソードもある。
今日はニノ・ロータの「the godfather waltz」を聞いて冥福を祈ることにしよう。
投稿者 ishikawa : 09:46 | コメント (0)
2004年06月26日
「アンドレイ・ルブリョフ」監督:アンドレイ・タルコフスキー

アンドレイ・ルブリョフ
「アンドレイ・ルブリョフ」監督:アンドレイ・タルコフスキー 182分モノクロ
ロシア最高のイコン画家の半生を描いた映画。
永遠に傑作と呼ばれる芸術作品がいかにして生みだされるのかをルブリョフの精神的な機微を通して描き出している。
我々はものづくりにおいて、その環境をいいわけにして自己実現できないと放棄しがちであるが、それが過ちであることをこの映画は教えてくれた。
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