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2006年03月26日

「今日はあなた 明日は私」

アスプルンドの建築 1885‐1940
アスプルンドの建築 1885‐1940
川島 洋一, 吉村 行雄
アスプルンドの展覧会を松下電工汐留ミュージアムで見てきました。
展覧会HP

展覧会はWoodland Cemetery 森の斎場をメインにアスプルンドの生涯に渡る作品が展示されていた。
アスプルンド(1985-1940)の森の斎場は個人的にまだ見たことがない建築で見たいと思っている建築の最上位のもので、今回の展覧会はかなり楽しみであった。
この斎場の魅力はなんといっても自然と建築が一体となったランドスケープであろう。アプローチから十字架が見える風景はあまりにも有名であり、それがこの場所を一瞬にして人の「生と死」を物語っている場所であると感じさせる見事なランドスケープである。
アスプルンドの時代はロマン派からモダニズムへの移行時期にありモダニズムとロマン派の折衷というと単純すぎるが、アーリーモダンの建築にはそうした暖かさがあるように思う。特にアスプルンドをはじめとした、北欧のモダニスト達は森の国に相応しくモダニズムの建築に木を多用したことで、アメリカなどでは鉄とガラスのドライなモダニズムへと発展したのに対し、最後まで暖かな雰囲気のモダニズム建築を生みだし続けていた。ちょっと横道にずれたが、個人的にアーリーモダンの建築家には北欧の建築家にかぎらずペレやベーレンスなども好みの建築家である。

「今日はあなた 明日は私」

アスプルンドは森の火斎場を完成させた後、心臓発作でこの世を去り森の斎場に眠っている。この斎場には「再生」のイメージも重ねあわされている。
アスプルンドHP

投稿者 ishikawa : 17:31 | コメント (0)

2006年03月21日

小学校の現場二期工事 その18

DSC05404.JPG
旧校舎の解体がほぼ終わり、いままで見えない角度から新校舎の全景が見えてきました。

DSC05412.JPG

展望台に九谷焼きのオブジェが取り付けられました。まだ完全に綺麗に仕上げをしていないので遠景から。校名をモティーフに立体的な文字になっています。製作は山下一三さんです。
DSC05417.JPG

以前紹介した九谷焼きの水瓶です。結局青く塗装しました。この場所の床の仕上げはゴムチップになります。手前に色サンプルおいて大きなサンプルの作成をお願いしています。
DSC05381.JPG

というわけで大きなサンプルが出来てきました。ちょっと黄色みが多すぎるので写真の小さいサンプル程度にしてもらうようお願いしたところです。2色をストライプ上に貼り分けます。
DSC05418.JPG

投稿者 ishikawa : 15:32 | コメント (0)

2006年03月15日

小学校の現場二期 その17

DSC05372.JPG
杉丸太です。直径165ミリあります。

外部に独立して建てます。設計時は上の庇をこの杉の柱で支えることを考えていたのですが、どうしても法律がクリアできず断念し庇は鉄骨で本体から片持ちとして、柱だけ独立させました。
法律上、準耐火建築物の柱は外部であっても木造はダメだということです。(燃え代設計も検討したのですが・・・・結果はNGでした。)柱を間近にみるとかなりしっかりした太さですが、離れて見ると細い感じもします。写真はまだ床スラブを打つ前なので足下は写真より300ミリ程度上になります。
DSC05375.JPG

柱脚は鋼材を使用しますが果たして真っ直ぐ建てられるかが心配なのですが・・・柱脚を床にセットしたときの精度にかかっています。
DSC05376.JPG

投稿者 ishikawa : 22:27 | コメント (0)

2006年03月05日

うつせみ 3-iron

「うつせみ」
「せみのぬけがら。そのように、この世はたよりなくはかないということ。現世あるいは、現世の人の意で、「世」「命」「かわれる身」「人」「むなし」などにかかる枕詞。源氏物語の巻名。第三帖。」

3月に公開されると聴いていて楽しみにしていたのだが、日本では「空家」で雑誌などには紹介されていて「うつせみ」という日本語タイトルになるとは直前までしらなかった。上記はプログラムから引用した。このタイトルは映画によく似合っている。
キム・ギドク監督作品で昨年の公開だが日本では初演である。恵比寿のガーデンシネマで初日、初演で見てきました。1週間のみ公開の割に空いていて、日本ではまだこの監督はあまり知られていないのでなとあらためて感じ少し残念。
映画は留守宅に侵入しては住人が戻るまでのつかの間のあいだを過ごす日常を送っている青年と、ある日青年が侵入した家にいた孤独で不幸な美人妻が出会い、そこからふたりの奇妙な逃避行がはじまるというストーリーである。そして主人公ふたりは一切言葉を交わさないままというのが演出のポイントである。
・・・・
独創的な設定と突飛な展開はさすがで面白かった。でもひとによっては突飛すぎてややぎこちなさや、雑な感じがするのではないだろうか、またラストに主人公の青年が身につける術はややビミューという感じがしたが、西洋人に東洋の神秘としてうけいれられたのだろうか?ヴェネチアで評価受けるにはややチープな感じもしたが・・・。それともユーモアとして評価されたのだろうか?
これで
「魚と寝る女」「悪い男」「春夏秋冬そして春」「サマリア」につづきこの監督の映画を5本見た。ドラマの設定が実に多才で器用な印象であるが、やはりはじめに見た「サマリア」がいまのところ一番良くできていたように思う。
この作品に関しては星4つ。(最高は5つ)
うつせみ公式サイト

投稿者 ishikawa : 22:06

2006年03月02日

MY ARCHITECT

おくればせながら先日、映画「マイアーキテクト」を見てきました。

映画としてとてもいい内容でした。
伝説の建築家を父にもつ息子(といっても愛人の子で11歳で死に別れた)が父の死後25年を経て父親探しの旅をドキュメントとしてつづった映画なのですが、映画にするにふわさしく父、ルイス・カーンは人々の記憶の中に伝説を作品とともに残していたのである。
この映画についてとても好感を持ったのは、父を賛美する人、否定する人、愛人、タクシー運転手、死の第一発見者など実に様々な立場からカーンの実像を照らし出していていること、もう一つは、ソークでローラースケートをする場面や、ダッカの広場で父を賛美する市民と握手を交わすときの誇らしげな顔をする場面などに感じる父への愛情がうまく表現されていることである。
さて
振り返って同じ建築家という職業で自分を顧みると、やはりカーンは偉大であると言わざるを得ない。
特にダッカの議事堂など23年間コンクリートを手で運んで建設したというのだから・・・そしてカーンがこんなに素晴らしい建築をこの地に残してくれたと感謝されるのだから。戦争中も古代遺跡と思われ空爆されなかったというのだから。
映画なのでフィクションかもしれない。しかし建築家とはそういう可能性を秘めた職業であるということを示してくれたルイス・カーンと、それを映画で一般に示してくれたナサニエル・カーンに感謝せねばなるまい。あらためて建築家として原点を見つめ直させてくれる映画であった。

投稿者 ishikawa : 21:25